ジャンヌ・モロー(Jeanne Moreau)さん他界の知らせが入りました。
東京のシアター・イメージフォーラムで上映されている『《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語』が始まって1週間あまり。この5つの物語の1つが彼女がヒロインを演じる『天使の入江』です。
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『天使の入江』(原題:La baie des anges 1963年仏)
(監督:ジャック・ドゥミ 音楽:ミシェル・ルグラン)
「天使の入江」。この美しい名前は、フランス南東部の港町、ニースの地中海に面した湾の名前だ。舞台は、この天使の入江にあるカジノ。ギャンブルにのめり込んで行く2人の男女、ジャン(クロード・マン)とジャッキー(ジャンヌ・モロー)を、ドゥミ監督はまるでアダムとイヴのような無邪気さで描く。
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(C)cinē tamaris 1994 |
平凡な生活から冒険に挑もうとパリからニースにやってきたジャン。厳格な父と決別した彼は、ニースで、ギャンブルが理由で夫と子供を捨てたジャッキーと出会う。孤独と自由を共有しながら、2人はカジノで束の間の勝利に酔いしれるが・・・・・・
映画の節目節目で流れる、ミシェル・ルグランのピアノ曲がなんとも切ない。
この映画が製作された1963年といえば、ちょうどアメリカでも『酒とバラの日々』(Days of Wine and Roses)がつくられた頃だ(1962年)。印象的なのは、どちらの作品も、地獄から最初に這い上がろうとするのは女性でなく男性だということだ。男尊女卑を意味するのでもなく、フェミニズムを否定するのでもなく、男性が男性としての誇りを自然に持つことができたのが、その時代だったのだろうか。古風な人間と言われてしまうかもしれないけれど、そんな「男性の誇り」を、詩的に、さりげなくフィルムにおさめてくれたドゥミ監督に「ありがとう」と言いたい。
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ジャンヌ・モローさん、数々の映画で、すてきな演技をありがとうございました。
<本ブログ内リンク>
《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語
『ローラ』(LOLA)その1(反戦への思い)
『ローラ』(LOLA)その2(シングル・マザーへのまなざし)
<関連サイト>
《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語
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