2026年4月16日木曜日

EEPMON展:デジタルアートが生み出す無限の世界 



今から3ヶ月ほど前に開催された、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が開催されてから、3ヶ月の月日が流れました。カナダのカーニー首相の演説が注目を浴びたことを覚えていらっしゃる方も少なくないと思います。ちょうどその頃、カナダ大使館の方から伺った話が印象に残っています。カーニー首相は、自国を「多元主義社会」(Pluralistic society)という言葉で表現されていたのだそうです。「多様性」(Diveresity) という言葉は、日本でもだいぶ馴染みのある言葉になってきた感があります。しかし「多元性」(Plurality) という言葉を聞く機会はまだ少ないのが現状です。

 カナダという国が持つ大きな可能性が「多元性」という言葉に秘められていることを、体で感じることができるのが、この展覧会です。


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EEPMON展:デジタルアートが生み出す無限の世界 


 なぜか、訪れるととても元気になれる。

 カナダ大使館の地下2階にある、高円宮記念ギャラリーで開催されている、EEPMON展。

EEPMON(イープモン)はアーティスト名。彼は中国をルーツに持ち、オタワで学んだ。

入口で孫悟空のような可愛いサルが迎えてくれるのは、彼が申年生まれだから。育った街を愛しているから、ルーツを大切にすることもできるのだろう。今回の作品は、渋谷と新宿を訪れたときのひらめきがモチーフとなって生まれた。東洋と西洋の文化を軽やかに行き来しながら紡ぎ出すEEPMONのデジタルアートは、明るさに満ちている。第二次世界大戦が終わり、21世紀となった今でも、この世界では戦争が続いている。でも、私たちには未来があって希望がある。そのことに気づかせてくれる時間を大切にしたい。



2026年1月 
高円宮記念ギャラリーにて撮影
 (c)Mika Tanaka



<展覧会概要>
 
EEPMON展:デジタルアートが生み出す無限の世界 
 
2026年5月12日(火) まで
10:00〜17:30(最終入場 17:00)
休館日:土曜日、日曜日 
(4月29日・5月6日は開館、5月4日・5月5日は閉館)


場所:カナダ大使館高円宮記念ギャラリー 
(東京都港区赤坂7-3-38 地下鉄「青山一丁目」駅より徒歩5分)
入場: 無料 
 
政府発行の写真付身分証明書(運転免許証、パスポート等)を持参のこと。


  
<カナダ大使館高円宮記念ギャラリーの公式サイト>


<カーニー首相の演説について>

カナダ大使館公式サイトで、ダボス会議での演説(日本語訳)の全文が記載されています。

「原則と現実 - カナダの進む道」
世界経済フォーラム年次総会 マーク・カーニー首相演説
(2026年1月20日 スイス、ダボス)



2026年3月8日日曜日

『ナースコール』(原題:HELDIN /英題:Late Shift)

 


3月8日は国際女性デー。

懸命に生きる女性の姿が、ここにも。

3月6日から、日本で公開が始まりました。


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『ナースコール』(原題:HELDIN /英題:Late Shift)


 舞台となるのは、スイスの州立病院。看護師のフロリア・リント(レオニー・ベネシュ)が働く外科病棟の患者たちは、年齢も出身もさまざまだ。遠く離れた国の家族を思いながら孤独を嘆く人もいれば、ベッドで付き添う家族たちに感謝しつつも対応に疲れる人もいる。フロリアが出勤すると、3人チームの1人が病欠であることを知らされる。ただでさえ忙しい中、次から次へと仕事が舞い込んでくる。ナースコールに応えるだけではない。忘れ物の問い合わせの電話も取らなければならないし、患者の心を鎮めるために歌を歌うこともある。思わぬ失敗をし、追い詰められたフロリアはとんでもない行動に出てしまう…… 

 監督、脚本は、女性の映画監督、ペトラ・フォルペ。ドイツの看護師マデリン・カルベラージュによる『問題は職業ではなく環境』に出会い、看護師たちを称える思いでこの映画を完成させた。キャスティングにこだわり、蘇生チームには本物の医師や看護師を起用した。

 主人公はフロリアだが、患者1人ひとりの人生に思いを馳せたとき、映画の奥行きの深さにはっとさせられる。膵がんの診断を受けた7号室のセヴェリン(ユルク・ブリュス)がもらした本音が、今でも忘れられない。


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 看護師不足は日本やスイスにとどまりません。

WHOによると、2030年までに地球上で1300万人の看護師が不足すると予測されています。




                                                  © 2025 Zodiac Pictures Ltd / MMC Zodiac GmbH




『ナースコール』

監督・脚本:ペトラ・フォルペ

2025年/スイス・ドイツ/92分/5.1ch/原題:HELDIN /英題:Late Shift

配給:スターキャットアルバトロス・フィルム

後援:在日スイス大使館




公式サイト


『ナースコール』

https://nursecall-movie.com/

2026年3月6日金曜日

『Comme Le Feu (フー・バイ・ファイヤー) 』特別上映会



3月20日は『国際フランコフォニーの日』。

この日にちなみ、3月はフランス語に関するさまざまなイベントが開催されます。


カナダ大使館で上映されるフランス語の映画をご紹介します。

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カナダ大使館 フランコフォニー 2026 関連イベント

『Comme Le Feu (フー・バイ・ファイヤー) 』特別上映会

原題:Comme le feu   英題:Who By Fire

監督:フィリップ・ルサージュ(Philippe Lesage)


   映画好きの少年ジェフは、親友マックスの家族と共に、映画監督ブレイク・カデューの山奥のロッジを訪れる。ほのかな恋心、大人たちへの憧れと失望、自分との葛藤……ケベックの森と湖を舞台に若者たちの心の成長が描かれる。

                               



  夜の森の中、光を放つ蛍がいる。なぜか心惹かれた。実は、この蛍は、本物ではない。2024年の東京国際映画祭で来日したフィリップ・ルサージュ監督が教えてくれた。このシーンのために、「 あえて」特殊な技術で蛍を登場させたそうだ。日本だけでなく、カナダでも蛍の減少は深刻な問題。同じく揺れ動くティーンエイジャーの成長を描いた「さよなら、退屈なレオニー」(2018年/カナダ)の原題が »La Disparition des Lucioles »(2018年東京国際映画祭で「蛍がいなくなった」というタイトルで上映)であったことを思い出す。

 蛍の光と若者の心のゆらめきには相通ずるものがあるのかもしれない。

 

カナダ大使館で無料上映会があるので、下記登録フォームでお申し込みを。

(受付は3月17日、17:00まで)

https://bit.ly/Film19Mar26 

 

カナダ・フランス共同制作 2024年/ 155分

フランス語(日本語と英語の字幕付)

 

日時: 3月19日(木) 18:15~21:00(17:45 開場) 

会場: カナダ大使館 オスカー・ピーターソン シアター

(入館には写真付きの身分証明書が必要)


2026年1月9日金曜日

和紙の魅力を知る…… 『根気と継続』

 2026年が始まりました。よい年となりますように。

カナダ大使館の展覧会のご紹介です。

1月13日、14日、15日と、残り3日間となりましたが、お時間がありましたらぜひ。

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和紙の魅力を知る……

『根気と継続』


 楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)……多くの人にとって聞きなれないかもしれないこれらの言葉はすべて植物の名前。

 日本とベトナムの紙職人との深い交流を通じて作品を制作したアレクサ・クミコ・ハタナカは、日系カナダ人のアーティスト。クィアであること、双極性障害を持つこと、それらを彼女自身の個性に変え、穏やかで力強い作品を完成させた。

 ハタナカの和紙職人との交流や制作の過程は、映像作家・ジョニー・ニエムによって撮影された。こちらも本展で鑑賞できる。

 和紙づくりは、健全な自然環境を守ることにつながり、私たちの心の健康にもつながる……優しさの連鎖の中で、私たちの心が癒されますように。




<展覧会概要>

 

『根気と継続

 

2026年1月15日(木) まで

10:00~17:30(最終入場 17:00)
休館日:土曜日、日曜日 および1月12日


場所:カナダ大使館高円宮記念ギャラリー 

(東京都港区赤坂7-3-38 地下鉄「青山一丁目」駅より徒歩5分)
入場: 無料 

 

政府発行の写真付身分証明書(運転免許証、パスポート等)を持参のこと。

 

 

カナダ大使館高円宮記念ギャラリーの公式サイト

https://www.international.gc.ca/country-pays/japan-japon/galerie-prince_takamado-gallery.aspx?lang=jpn

2025年10月31日金曜日

『おいしい給食 炎の修学旅行』 (2025年日本)

2025年10月24日(金)から公開が始まりました。

season1のなつかしい登場人物との再会も楽しみです。

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『おいしい給食 炎の修学旅行』  2025年日本)

監督:綾部真弥 


 この人のお母さんはいったいどんな人だったのだろう……

 いつもそんなことを考えてしまう。

「この人」とは、甘利田幸男先生(市原隼人 )。母親のつくる食事がまずいという理由から、学校の給食が大好きになり、中学校の教師となった人。

自分の給食好きを誰にも知られてはいけないと、ひた隠しにしているつもり。でも、職員室の引き出しにしまった献立表を愛でる姿は同僚にしっかり目撃されているし、給食の時間になると校歌を歌いながら全身で喜びを表現してしまうから、クラスの生徒たちもちゃんと知っている。でも、そんなヘンな先生が普通に先生としていられる環境が嬉しい。


                                              2025「おいしい給食」製作委員会

                                           


 『おいしい給食 炎の修学旅行』  は、テレビドラマseason3の完結編の映画『劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ』 に続く劇場版の第4弾。中学3年生となった粒来ケン(田澤泰粋)たちが修学旅行で訪れた青森と岩手。ご当地グルメにわくわくしつつ、他校の生徒や教師たちとのゴタゴタにハラハラ……いつもほがらかな粒来君、他人にこびることのない甘利田先生は、食べる楽しさを教えてくれるだけじゃない、それ以上に大切なことを私たちに気づかせてくれる。一緒に食べて「おいしい!」と言うだけで人は仲良くなれるということ。教育とは大人たちの管理のためではなく、子供たちの利益のためにあるということ。

 甘利田先生の決してぶれない態度は、強い信念でもある。

 いつも思う。ご母堂はどんな方法で、甘利田先生をこんなにも強い人に育て上げたのだろうと。おいしい料理をつくれなくてもいいんだ、大切なことはもっとほかにあるんだ、と斜めに励まされる。見終わると元気と笑いでいっぱいになる、爽やかな映画。





<公式サイト>

『おいしい給食 炎の修学旅行』  

https://oishi-kyushoku4-movie.com/


配給:AMGエンタテインメント




2025年10月18日土曜日

『ヒポクラテスの盲点』 (2025年日本)

 10月はピンクリボン月間。乳がんの早期発見、早期治療普及のため、さまざまなキャンペーンが世界中で開催されています。

自分の体を大切にするとことは、正しい知識を知ることから始まります。

今から4年前に始まった新型コロナウイルスワクチンに関する情報を、私たちはどれだけ正しく知ることができたでしょうか?接種するかしないかを、自分の意志で決めることができたでしょうか?地域によって、職場によって、環境によって、さまざまな違いがあったのではないかと思います。私の周りには、接種しないことを堂々と発言する人もいれば、職場の指示で接種せざるを得ない人もいました。接種したくないのにせざるを得ない状況に追い込まれ、死亡に至った人がいるという事実も耳に入りました。

問題は、ワクチンそのものではないと思うのです。日本という国が、自分の体に関することを自分で決めることができる社会となってくれることを願ってやみません。


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『ヒポクラテスの盲点』 2025年日本)

監督:大西 隼 



                                  (C)「ヒポクラテスの盲点」製作委員会 

 

“First, do no harm. “(何よりもまず、害をなすなかれ)


 医学の祖・ヒポクラテスが遺した言葉だ。新型コロナワクチンは、この言葉を遵守することができただろうか? 私たちに盲

点はなかっただろうか?

 

 多くの国で「ワクチン接種は2回から3 回まで」という考えが主流だった中、日本では7回目のブースター接種までが推奨されてきた。1 人当たりの接種回数は、世界第 1 (総接種回数 4 3600 万回)の日本は、世界最大の感染者数を記録する時期もあった国でもある。

 新型コロナワクチンを3回接種し、社内での職域接種の推進役をも担っていた大西隼監督は、とあるきっかけでSNS上でコロナワクチン論争を目にし、「本当のことを知りたい」という思いで映画の撮影を始める。大西監督はテレビマンユニオンのディレクター、プロデューサーであるほか、理学博士という肩書きも持つ。これを記録できるのは自分しかいないという使命もあった。

 コロナワクチンを推奨してきた機関や医師、コロナワクチンの被害者救済に奔走す る医師や科学者たち、コロナワクチンの被害者や家族。2年間にわたる取材には、さまざまな思いがあった。涙、怒り、悲しみ、簡単な言葉で表現しきれないこぼれてしまった「何か」が、映像から感じ取れる。

 データのトリック、忖度、同調圧力、ヒエラルキー……パンデミックは人間の醜い部分を剥き出しにする。ワクチンの登場によって、それがさらに助長されたような気がする。



「事実はグラデーションの集合」と語る大西監督。ワクチンを「善」か「悪」かで二分することなく、議論が日々更新されていくことが監督の願いであり、本作に登場する人たちの願いであると思う。これ以上の被害が生まれないために、私たちが議論を続けられる社会でありますよう。



        

              (C)「ヒポクラテスの盲点」製作委員会 

  


<公式サイト>


『ヒポクラテスの盲点』

https://hippocrates-movie.jp/