この映画を観ていたら、エドワード・ホッパーの絵をむしょうに見たくなりました。
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『男と女、モントーク岬で』(原題:Return to Montauk)
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『男と女、モントーク岬で』(原題:Return to Montauk)
この地球上に存在する、数えきれないほどの美しい景色。
その景色はときとして「鍵」のように作用することがある。
心の奥底に沈めたはずのパンドラの箱の鍵だ。
自分の箱にぴたりと合う鍵(=景色)に遭遇すると、眠っていた感情が一気に呼び覚まされてしまう。涙がとめどもなく流れる人もいれば、甘酸っぱい心地よさに満たされる人もいる。
©Ziegler Film/Franziska Strauss |
モントーク (Montauk)。
ネイティブ・アメリカンの言葉で「地の果て」を意味するこの場所もまた、人々の「鍵」となる景色のひとつなのだろう。
ニューヨーク・マンハッタンから約180kmの距離にある、ロングアイランドの最東端にある岬、モントーク。そこで、かつて恋人同士だった2人が何十年かの歳月を経て再会する。そして、思い出の場所、モントークへ向かう。女の職業は弁護士。男の職業は小説家。クールでいなければ生きていけなかった女と、思い出と夢の中で自分の位置を探し続けた男。ぽつんとたたずむ灯台とどこまでも続く海岸線が、さりげなく2人の間にある真実のヴェールをはがしていく。
人生は思っているほど長くはない。
だから、こう思う。
恥ずかしくてもいい、情けなくてもいい。過去の恋人の居場所を探し当て、門前払いされるのを覚悟で昔の出来事を掘り起こすような行動に出るような生き方もありじゃないだろうか。こんな無粋なことをして、自分の愚かさと浅はかさを知るのもいいんじゃないだろうか、と。
<本ブログ内リンク>
この映画観の主人公も小説家。そして、ある女性と再会します。
『ビフォア・サンセット』 (BEFORE SUNSET)
<公式サイト>
『男と女、モントーク岬で』
監督:フォルカー・シュレンドルフ
出演:ステラン・スカルスガルド ニーナ・ホス
ドイツ・フランス・アイルランド映画/英語・フランス語/シネスコ/2017
年/106
分
配給:アルバトロス・フィルム
5月26日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー