フランス映画祭2017で多くの観客の心をつかんだ『夜明けの祈り』の劇場公開が8月5日から始まりました。
同映画祭のトークショーで「これは過去の出来事ではありません。女性に対する暴力は、今でも戦争が起きている地域で続けられています」と語ったアンヌ・フォンティーヌ監督の言葉が忘れられません。
明日は、ヒロシマ原爆の日。それからナガサキ、終戦記念日と続きます。日本に住む私たちにとって、この時期にこの映画と出会うことは、特別な意味を持つような気がします。
明日は、ヒロシマ原爆の日。それからナガサキ、終戦記念日と続きます。日本に住む私たちにとって、この時期にこの映画と出会うことは、特別な意味を持つような気がします。
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『夜明けの祈り』 その2(原題:Les Innocentes)
この映画は、主人公マチルド役のモデルとなった、若き女性医師・マドレーヌ・ポーリアックの手記をもとに製作された。
製作者は2人。エリック・アルトメイヤー氏とニコラ・アルトメイヤー氏だ。アンヌ・フォンティーヌ監督は、2人と食事をしながら、こんな誘いを受けた。「こんなすごいテーマがあるんだ。断ることができると思う?」と。
そのドラマの力強さ、深さ、人間模様に釘付けになった彼女は、迷わず監督を引き受ける。前作のシニカルなコメディ映画(『ボヴァリー夫人とパン屋さん』)とはまったく趣きの違う作品だった。
マチルド役を決めるにあたっては、ルー・ドゥ・ラージュさんからにじみ出るカリスマ性に賭けた。第二次世界大戦直後、女性の医師は非常に少なかった。そして戦場にすすんで赴く女性はさらに少なかった。ルーさんは、そこまでの強い意志を十分に表現できる女優だった。
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© 2015 MANDARIN CINÉMA AEROPLAN FILM / ANNA WLOCH |
子供たちの命とシスターたちの尊厳の2つを守ろうと、最後まであきらめずに行動したマチルド。彼女が、強い意志を持つだけの人だったら、多くの命を救うことはできなかったと思う。マチルドのすばらしいところは、信念だけでなく、柔軟な発想とひらめきがあったことではないだろうか。
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© 2015 MANDARIN CINÉMA AEROPLAN FILM / ANNA WLOCH |
原作: フィリップ・メニヤル
監督: アンヌ・フォンテーヌ
脚本: サブリナ・B・カリーヌ
製作: エリック・アルトメイヤー ニコラ・アルトメイヤー
出演: ルー・ドゥ・ラージュ アガタ・ブゼク アガタ・クレシャ
バンサン・マケーニュ ヨアンナ・クーリグ ほか
2016年/原題: Les innocentes/フランス・ポーランド/115分
配給: ロングライド
<本ブログ内リンク>
フランス映画祭2017速報 2
『夜明けの祈り』が始まる
フランス映画祭2017速報 1
ルー・ドゥ・ラージュさんと会う
<公式サイト>
『夜明けの祈り』
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