今日、3月8日は「国際女性デー」。
アニエス・ヴァルダ監督の映画を紹介します。
3月24日(土)から、早稲田松竹で上映されます。
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『幸福(しあわせ)』(原題: Le Bonheur)
(監督:アニエス・ヴァルダ)
この映画が公開されたのは、1965年。それから、50年ほどが過ぎた。
男性のわがままを許すことを強要され、受動的に生きるしかなかった女性たちの状況は、改善されただろうか?—— 答えはきっとさまざま。「この映画は過去の話」と思う人もいれば、「大して変わってないじゃない!」と思う人も。
私は前者。
この50年間で日本の仕事の現場は少し、いや大きく変わった。男女平等雇用均等法が施行され、セクハラやパワハラという言葉が生まれ、21世紀に入るとイクメンまで登場。
でも、家庭の現場は?
女性の立場は、この映画とほとんど同じ。いやまったく同じじゃないだろうか。
女性は仕事をし、家事をこなし、夫を気遣い、こどもたちを育てる。すべてがこなせて当たり前……
映画の中で、テレーズ(クレール・ドルオー)は、休む間もなく動いていた。夫のフランソワ(ジャン・クロード・ドルオー)に異を唱えることなく、愚痴をこぼすでもなく、野に咲くひまわりのように明るい。こんな良妻賢母に支えられる家族は絵に描いたような「幸福」に満ちている。
でも、「幸福」の維持にはたゆまない努力が必要だ。その努力のすべてを女性が担わなければいけないとしたら? そのどこが男女平等なんだろうか?
映画は、家族がピクニックを楽しむシーンで始まる。そして、家族がピクニックを楽しむシーンで終わる。
始まりと終わりの間のドラマを知らない人から見ると、まさに幸福な家族。50年近く経った今も、このシーンは普遍的だ。ということは、幸せそうに見える世の中の多くの家族にもいろいろな秘密があって、それぞれが「幸福」を装うためのたゆまない努力をしているのかもしれない。
(c) agnes varda et enfants 1994 |
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<本ブログ内リンク>
《特集上映》ドゥミとヴァルダ、幸せについての5つの物語
『ローラ』(LOLA)その1(反戦への思い)
『ローラ』(LOLA)その2(シングル・マザーへのまなざし)
『天使の入江』(La baie des anges)
<関連サイト>
下記のサイトより、『幸福』の上映館を知ることができます。
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上映予定
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