『スージーQ』 (原題:SUZI Q 2019年オーストラリア )
監督・製作:リーアム・ファーメイジャー
©The Acme Film Company Pty Ltd 2019
Susieではない。Suziだ。
そして“Q”の頭文字が続く、そのインパクト。まず、名前がかっこいい。
かん高い声で歌いながら、低音のベースでがんがんせめていく。
そのアプローチがかっこいい。
あどけない顔と小柄な体、そこを皮のジャンプスーツでビシッとキメる。
そのギャップがかっこいい。
©The Acme Film Company Pty Ltd 2019
ロックバンドのボーカリストという立場ではない。ガールズバンドのリーダーでもない。
屈強な男性たちをメンバーに携え、バンドを率いるその姿に、どれだけ多くの人が憧れたことか。ジョーン・ジェット、デボラ・ハリー、 シェリー・カーリー……同性のミュージシャンたちに愛されたことが、彼女のそのすごさを証明している。そう、スージーQは”偉大な”人なのではなく、”スゴい”人なのだと思う。
デビューしたのは1970年代。日本では”ウーマン・リブ“というカタカナが闊歩し、”フェミニスト”という言葉が(おそらく)誤用されながら広がっていた頃だ。スージーはそんな時代に乗せられたのか?そんな時代だから大ヒットしたのか?いやむしろ、そんな時代だから大変だったのだろうか……この映画を見ていると、彼女が受けたいくつかの試練がわかる。時代ゆえの試練もあれば、そうではない試練もあった。彼女が過去に受けた仕打ちに思い切り腹が立つ人もいるだろう。#Me tooや、ジェンダー平等という言葉が歩き出すずっと前にデビューしたスージー。彼女にとっては、自分が”女性”であることより、自分が”自分”であることが大切だった。だから、スゴいんだ。かっこいいんだ。そう思う。
年を重ねたスージーQ。映像越しだけれど、今の彼女に再会できて嬉しかった。好きなことを追い続けているんだと知って、また嬉しくなる。
ちょっとはにかんだ感じの笑顔、気どらないところ、繊細なところ……年を経ても彼女は変わらず、SuziQのままだ。
あなたのファンになってよかった!
出演: スージー・クアトロ
ジョーン・ジェット
デボラ・ハリー
シェリー・カーリー
リタ・フォード
アリス・クーパー
ほか
2019 年/オーストラリア/104 分/ビスタ/ステレオ
提供:ジェットリンク
配給:アンプラグド
<公式サイト>
https://unpfilm.com/rockumentary2022/
<本ブログ内リンク>
私の中で、スージーQと同じぐらい切ない歌声で大好きなロックミュージシャンがこの人。
再) 忌野清志郎 その1 『核などいらねぇ』
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2016/04/1.html
きっと、このライブハウスにもスージーQに憧れて彼女のようになりたいと思った出演者がいたのかな、と思う。
『上馬ガソリンアレイ』という時代 その2
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2015/07/blog-post_16.html
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