今日、6月9日(金)から東京での上映が始まりました。曇り空の1日ですが、
映画館の中は、明るさに溢れています。
************************************************
『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』
(原題:Le Petit Nicolas - Qu'est-ce qu'on attend pour être heureux?)
![]() |
(c)2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2 |
なんて無邪気で、なんて自由なんだろう。
プチ・ニコラに出てくるこどもたちは、やんちゃでいたずら好きで、放っておいたらとんでもないことを考え始める。やってはいけないことをついしてしまう。そしてひとたび反省の意識が芽生えると、とてつもない妄想の中で自分を罰する。それだけ奔放でいられるのは、大人たちへの「絶大な信頼」があるからではないか、と思う。
プチ・ニコラが生まれたのは、1955年。パリのカフェで、イラストレーターのジャンージャック・サンペが、新聞に掲載中の自分のイラストをもとに物語を書いてほしいと、盟友のルネ・ゴシニに相談を持ちかけたのが始まりだ。「君が物語を作って、僕が絵を描くのさ!」
映画では、プチ・ニコラの誕生秘話やサンペとゴシニの友情が描かれながら、プチ・ニコラたちの可愛いエピソードが流れる。ニコラの家にテレビが届いた日。親元を離れて向かう臨海学校。友達と学校をサボった日……サブタイトルの”Qu'est-ce qu'on attend pour être heureux ? “ は、「幸せになるために、私たちは何を待てばいいの?」という意味。世界中のこどもたちの幸せのために、自分たちの幸せのために、サンペはペンを走らせ、ゴシニはタイプライターを叩いた。虐待や戦争のない世の中を願って。
今、天国にいる2人は何を思ってこの世界をながめているだろう。
こう思った。サンペとゴシニがニコラたちの物語に託した願いをしっかりと受け止め、こどもたちが心から信頼できる大人にならなければ、と。
大人である私たち1人ひとりの意識が変われば、21世紀のこどもたちもニコラたちのようにのびのびと生きていけるはずだと思う。自戒の念を込めて。
(c)2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2
原作:ルネ・ゴシニ、ジャン=ジャック・サンペ
監督:アマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル
脚本・セリフ・脚色:アンヌ・ゴシニ、ミシェル・フェスレー、
バンジャマン・マスブル
音楽:ルドヴィック・ブールス(『アーティスト』)
出演者:アラン・シャバ、ローラン・ラフィット、シモン・ファリ 他
原題:Le Petit Nicolas - Qu'est-ce qu'on attend pour être heureux?
フランス/2022/仏語/ビスタ/5.1Ch/86分/字幕翻訳:古田由紀子
配給:オープンセサミ、フルモテルモ
<本ブログ内リンク>
いつの時代も、やんちゃなこどもたちはかけがえのない宝ものです。
『プロヴァンス物語 マルセルの夏』(La Gloire de mon père)
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2018/08/la-gloire-de-mon-pere.html
<公式サイト>
6月9日(金) 新宿武蔵野館、ユーロスペース他全国順次公開
0 件のコメント:
コメントを投稿