1964年に開館した「京都みなみ会館」が、2023年9月30日(土)で閉館することを知りました。
最後の1ヶ月の上映作品の中に、ヴェラ・ヒティロヴァー監督の映画『ひなぎく』が名を連ねています。明日、9月8日(金)から上映開始です。
2016年に執筆した記事を一部改稿し、再掲載いたします。
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再)チェコ・ヌーヴェルバーグ『ひなぎく』その5
(原題:Sedmikrásky/チェコ・スロヴァキア/1966年/75分)
監督:ヴェラ・ヒティロヴァー(Věra Chytilová)
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©:State Cinematography Fund |
1950年代。チェコは、旧ソ連の社会主義陣営の中にあり、少しでも抵抗すると「死刑」という道が待っていた。
しかし、1962年頃から、ヒティロヴァーをはじめとする若い世代たちが出現。その抑圧から逃れようとする力が芸術を開花させる。その中のひとつが、 1966年の映画『ひなぎく』だ。
1968年、「プラハの春」が始まるが、「チェコ事件」と呼ばれるソ連の軍事介入により、はかなく終わりを告げる。100人以上の死者も出たチェコ事件では、国民はその手に武器を持たず、花を持っていたそうだ。非暴力抵抗……ベルリンの壁が崩壊する30年ほど前の時代のできごとだ。
映画『ひなぎく』が世に出て、50年以上が経った。私たちはこの時代より自由になっているだろうか?より成熟した社会に生きているだろうか?
過ちをくり返してはいけないと思う。
そして、時代を逆行してもいけないと思う。
そんな思いとうらはらに、過ちは繰り返され、もしかしたら時代を逆光しているのでは、と感じることがある。
抑圧を軽やかに飛び越えたヒティロヴァー監督の知恵を、この映画から学びたい。
<公式サイト>
映画『ひなぎく』
(※上映に関する最新の情報が、逐次掲載されます)
<本ブログ内リンク>
『ひなぎく その1』
『ひなぎく その2』
『ひなぎく その3』
『ひなぎく その4』
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