80年前の今日、8月6日、広島に原爆が投下されました。
そして、私たちは80回目の終戦記念日を迎えようとしています。
80年経ったはずなのに、世界のどこかでまだ争いは続いています。
争いを”なくす”ためにどうしたらよいか、私はいまだに答えをみつけることはできません。
でも、アリ・バユアジさんの展示を見ていると、”なくす”ことではなく”つくる”ことによって何か道が開けるのではないか、悪循環が好循環に変わっていくのではないかと思うのです。
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『アリ・バユアジ 瞑想の行為』
シリーズ「Weaving The Ocean (海を織る)」より
©︎Mika Tanaka
青山一丁目から徒歩約5分ほど。
赤坂郵便局を右に少し先を歩いた先に、カナダ大使館がある。
1階で身分証を提示し、セキュリティチェックを行った後、長いエスカレーターを上る。上り切ったところが4階(ロビー階)。視界の先に東京タワーが見える。右側のガラス張りの入口に入り、エレベーターで地下2階まで下ったところに、高円宮記念ギャラリーがある。
猛烈な暑さから解放される、涼やかな空間。海の底にいるような、誰かに抱かれているような安堵感が広がっていく……
経済的な危機に陥るバリ島。そこに住む人たちを支援する目的で、アーティストであるアリ・バユアジは、コロナ禍の2020年、あるアートプロジェクトを立ち上げた。マングローブに絡まったプラスチックのロープを活用し、現地の人たちが工芸品を制作するというものだ。存在価値を失い、漂流し、ゴミとしてうとまれ、海の生物の命を奪う毒と呼ばれてしまうプラスチックが、丁寧な手作業によって、美しく愛おしいものに生まれ変わる……この循環の響きは、まるで仏教の曼荼羅(まんだら)のよう。
仏教といえば、ここで展示されている大きな布の作品は、袈裟からインスピレーションを得たそうだ。使い古されるほどに味の出るデニムの質感、それは21世紀の「糞掃衣(ふんぞうえ)」なのだろうか。
©︎ Mika Tanaka
<展覧会概要>
『アリ・バユアジ 瞑想の行為 』
2025年9月5日(金) まで
10:00~17:30(最終入場 17:00)
休館日:土曜日、日曜日
場所:カナダ大使館高円宮記念ギャラリー
(東京都港区赤坂7-3-38 地下鉄「青山一丁目」駅より徒歩5分)
入場: 無料
政府発行の写真付身分証明書(運転免許証、パスポート等)を持参のこと。
©︎Mika Tanaka
カナダ大使館高円宮記念ギャラリーの公式サイト
https://www.international.gc.ca/country-pays/japan-japon/galerie-prince_takamado-gallery.aspx?lang=jpn
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