2017年12月20日から、フォトグラファー・柴原薫さんの個展が銀座で開催されます。この週末は、街中がクリスマスの飾りと音楽で賑わう銀座へふらりと出かけてみてはいかがでしょう。
作品への思いやパリの個展での思い出話を、柴原さんご自身から聞くことのできるチャンスです。
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(再)海外で活躍する日本のアーティストたち
柴原薫さん
初めてこの写真に遭遇した人はどんな印象を持つんだろう。
そこにあるのは、美しい花々……だけではない。
ぎょろりとした大きな目玉が、一人格として存在する。
ああ、この目玉さえなければなあと思う人もいるかもしれない。
でも、この目玉君と逢瀬を重ねるうち、ただ花だけが美しく存在する写真に
物足りなさを感じてくる人の方が多いのではないだろうか。
これは、医療用の義眼。
作者の柴原さんは医療用の歯などでも撮影を試みたが、結果的に義眼で落ち着いた。
この目玉君のシリーズが発表されたのは1993年。2000年には、本格的にシリーズ化された。ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじよりは後だが、モンスターズ・インクのマイク・ワゾウスキよりは先の誕生だ。毎年、年末の銀座で個展が開かれ、ファンたちの年末行事として喜ばれている。
あるとき、柴原さんは、「パリで個展を開かないか?」と現地の画廊商から誘いを受ける。個展は、”Rencontre inttendue avec les yeux charmants!”というタイトルで、2013年5月31日から2013年6月13日までパリのGalerie
SATELLITE2で開催され、多くの支持を得た。(英タイトル: ”Encounter with unique lovely eyes!”)
海外のアーティストからこんな話を聞くことがある。
「なぜ日本人は冒険しないんだろうか?」
崖っぷちに立ったぎりぎりのところに、真の芸術があるのに、日本のアーティストはそこに手を伸ばすことをしたがらない、と。崖から落ちて失敗することを「恐れている」のか、あるいは、観客に失敗作を見せるような「失礼」なことをしたくないというプライドか。他の国々のアーティストに比べると、多くの日本のアーティストは作品を無難に落ち着かせる傾向があるように思える。
「義眼」と「花」を組み合わせるという柴原さんの冒険が、少しでも日本の若い世代に勇気を与えますよう。
2000年、目玉君がシリーズとなった記念すべき第1作 ここから、「目玉×花」というアプローチが始まる。 |
<個展概要>
銀座レトロギャラリーMUSEE(東京都中央区銀座1-20-17)
12月20日(水)~24日(日)11時~18時
*初日は14時から
柴原薫さん公式サイト(KAO'RU® Shibahara)
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