今日は七夕。私の頭上には、梅雨空が広がります。雲の上で、恋人たちが幸せなひとときを過ごしていますよう。
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フランス映画祭2019を終えて
フランス映画祭2019レポート その1
フランス映画祭2019レポート その1
梅雨の晴れ間に開催された、フランス映画祭2019横浜。
今年、頭に浮かんだキーワードは「年を取るのはこわくない」だった。
『男と女 人生最良の日々』(原題:Les Plus
Belles Années d'une vie)
「こんなこと、日本で信じられますか!?」と、上映前のトークショーで艶やかな感嘆の声をあげたのは、女優の岸恵子さん。同じ監督、同じ主演俳優で、登場人物の53年後が描かれたこの映画。1966年の『男と女』(Un homme et Une femme) を知っている人も、見たことのない人も、どれだけ感動することだろう。記憶を失いかけ、車椅子の生活になっても恋はできる。後悔があってもやり直すことができる。ジャン=ルイ・トランティニャンは、今88歳、アヌーク・エーメは87歳、そしてクロード・ルルーシュ監督は、81歳! 映画に恋をして、ずっと恋をし続けて、気づくとここまで来たと語る監督を見ていたら、年を重ねるということは、恋心を積み重ねることなんだと感じた。
クロード・ルルーシュ監督(左)と岸恵子さん(右) 2019年6月21日撮影 Mika Tanaka |
『ディリリとパリの時間旅行』(原題:Dilili à Paris)
可愛い少女が青年とパリを舞台に活躍するこの映画を届けてくれたのは『キリクと魔女』で知られる、ミッシェル・オスロ。今は78歳。「自分の中で、力がみなぎっている感じがある。もっと仕事をしたいという気持ちは衰えたことがなくて、はやく次回作にはやく取りかかりたいと思っているんだ」と、インタビューのときに語ってくれた言葉が印象的だった。
観客の質問に答えるミシェル・オスロ監督 2019年6月22日撮影 ©Mika Tanaka |
そして、実話に基づくこの2作品。
『アイディアル・パレス シュヴァルの理想宮(仮)』
(原題:L'Incroyable
Histoire du facteur Cheval)
50代の郵便配達員・シュヴァルが娘の誕生をきっかけに取り組んだ一大プロジェクトは、宮殿づくり。子供たちがかくれんぼや迷路ごっこをする遊び場としての宮殿は、完成まで33年の歳月を要した。すべての作業を終えたとき、シュヴァルは80歳をとうに超えていた。
『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』(原題:Le
Grand Bain)
スウェーデンに実在する男子シンクロナイズド・スイミングチームがモデル。うつ病がきっかけで会社を辞めた引きこもり、キレやすい社長、事業に失敗したセールスマン、虚言癖のアーティスト、内気な恋愛未経験者……ミドルエイジのさえないおじさんたちが世界選手権の金メダルをめざして奮闘する。主演のマチュー・アマルリックの表情がどんどん明るくなっていく過程が嬉しい。
© 2018 -Tresor
Films-Chi-Fou-Mi Productions-Cool industrie-Studiocanal-
Tf1 Films
Production-Artemis Productions
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おなかが出て、しわが増えて、体力が落ちてきても、失わないものがある。そして、年を取ることでしか得られないものもある……素敵なメッセージを届けてくれて、ありがとう。
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<本ブログ内リンク>
『フランス映画祭2017』を終えて
この年のキーワードは「赤ちゃんパワー」でした。
フランス映画祭2016が始まる
この年のキーワードは、「迷える大人たち」
<関連サイト>
今週末から上映が始まります。
『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』
7/12(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
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