緊急時代宣言の中、不要不急の外出を控えるようにと呼びかけられています。
果たして、映画鑑賞は不要不急でしょうか?
私は違うと思います。体に栄養が必要なように、心にも栄養が必要です。映画はその役割を担っています。心が荒んでしまいがちな今だからこそ、なおさら映画館に足を運んでほしいと私は思います。1人ひとりがマスクと手洗いといった予防対策を心がけ、映画館側が消毒と換気、席と席の間の十分な距離を徹底していれば、リスクは極めて少ない場所です。同じ作品に興味を持ち、同じ場所に集い、同じ時間を共有する……たとえ会話を交わすことがなくても上映中の間、私たちはきっと孤独ではありません。
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『43年後のアイ・ラヴ・ユー』(原題:Remember Me)
監督・脚本:マーティン・ロセテ
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妻に先立たれた1人の老人がいる。名前はクロード(ブルース・ダーン)。娘と孫が彼を気遣い、気のおけない友人もいる。まあまあ楽しい余生を送っている。
あるとき、クロードは許されざる恋に燃えた昔の恋人リリィ(カロリーヌ・シオル)がアルツハイマーの患者のための施設に入ったことを知り、大胆な行動に出る……ガーシュウィンの音楽(エンブレイサブル・ユー)、シェイクスピアの『冬物語』、かぐわしいユリの香り。リリィの記憶を呼びさまそうと、次々とトリガーを用意するクロード。元演劇評論家と元女優の間には、過去にどんなドラマがあったのだろう。43年という歳月を経てなお愛されるリリィのなんとかわいらしこと。プリント柄のワンピース姿の似合う彼女を見ていると、若さだけが美しさのすべてではないことに気づかされる。クスクスと笑えるさわやかなコメディに、いつしか涙ぐんでしまっている自分がいた。
<本ブログ内リンク>
リリィ役のカロリーヌ・シオルさん出演作
『ジュリーと恋と靴工場』(Sur quel pied danser )
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2017/09/sur-quel-pied-danser.html
<公式サイト>
『43年後のアイ・ラヴ・ユー』
https://movies.shochiku.co.jp/43love/
1月15日(金)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷公開
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