2017年9月24日日曜日

『ジュリーと恋と靴工場』(Sur quel pied danser )


靴......
靴といえば、人生の伴侶。自分の体の一部。嬉しくてたまらないとき、軽やかにスキップさせてくれるのも、悲しくてつらいとき、重い足を少しずつ前に進ませてくれるのも、靴。
そんな、「靴」をつくる靴工場を舞台にしたミュージカル映画の上映が始まりました。

カラフルで個性的な女性向けの靴を次々と紹介しながら、主人公ジュリーの同僚のソフィー(ジュリー・ヴィクトール)が歌って踊るシーンが素敵です。
 老舗靴メーカーの過去の作品のひとつが「ニッポン」と名付けられているのだけど、何だか嬉しくなります。

© 2016 LOIN DERRIÈRE L’OURAL – FRANCE 3 CINÉMA –
 RHÔNE-ALPES CINÉMA

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『ジュリーと恋と靴工場』(原題: Sur quel pied danser)

 若者の就職難が日本と同じか、あるいはそれ以上に深刻なフランス。20代のジュリー(ポーリーヌ・エチエンヌ)も、その渦中にいた。彼女が正社員の仕事を求めてたどり着いたのは、フランスで長い歴史を誇る高級靴メーカー、ジャック・クチュールの工場だった。強い信念を持たず、安定した生活に憧れる若者——そんなタイプに押し込められがちなジュリーだが、老舗メーカーの人事の目は確かだ。採用担当者は、彼女の素質に賭けることに。ジュリーは靴工場の倉庫係の助手として試用期間の初日を迎える。原題の”Sur quel pied danser” は「どの靴(足)で踊ればいい?」の意味。自分の本質というものに、自分自身は気づきにくい。ジュリーもそうだ。生きていくこと、稼ぐことに必死で、どんな靴が自分らしくどんな靴で人生を歩めばよいのかわからないでいる。しかし、工場の先輩たちと出会い、彼女たちの生きざまを学びながら、ある一足の靴に出会う。ジャック・クチュールの過去の作品の1つ”L’insoumise”(不服従)だ。映画の中で「戦う女」と呼ばれる、真っ赤なエナメルでできたダービー型の靴は、エレガンスさと動きやすさの両方を兼ね備えたもの。”L’insoumise”を履いて新しい人生の一歩を踏み出すジュリーを、日本の若者たちに見てほしいと思う。頑張って頑張って、それでもうまくいかなくてくじけそうなとき、1本の映画があなたに光をともしてくれますよう。


© 2016 LOIN DERRIÈRE L’OURAL – FRANCE 3 CINÉMA –
 RHÔNE-ALPES CINÉMA



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ジャック・クチュールの社長が、「おれはちっぽけな男だ」と嘆きながら、酒をあおるシーンが可愛い。そのラム酒の名前は「ゲバラ」でした。

<本ブログ内リンク>

EDEN エデン』 (ポーリーヌ・エチエンヌ出演作品)

<公式サイト>
『ジュリーと恋と靴工場』

配給: ロングライド

2017923()より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開

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