3.11を忘れたくない……
上映中の映画『永遠の1分。』
被災して絶望して、自殺しようとした人がいる。でも、首を吊ろうとすると必ず妨害が入り、結局今も生きている。そして笑う。
居酒屋でスティーブ(マイケル・キダ)がおにぎりを注文する。すると、アメリカ人でもびっくりするほどの特大のおにぎりが運ばれる。「スマイル・ボール」と呼ばれるこのおにぎりは、悲しみに沈んだ被災者の人たちに笑ってほしいという思いで生まれたそうだ。
多くの命が奪われたその場所にも、人々の営みの中に「笑い」があった。
「3.11を題材にコメディ映画を撮りたい」
スティーブ(マイケル・キダ)は、日本に降り立った直後は愉快な忍者映画を撮ることばかりを考えていたが、被災地の惨状を知るにつれ、そんな思いを抱くようになる。
部外者の自分に何ができるか。
硬派なドキュメンタリーは苦手だが、コメディならできるかもしれない。
そんな彼の熱意も日本では取り合ってもらえないどころか、不謹慎と責められ、誹謗中傷の記事まで書かれてしまう。それでもスティーブはあきらめない。会社を辞め、フリーとなって3.11のコメディ映画の制作に挑戦する……映画の中で映画が撮影され、上映会が行われるという入れ子構造の作品。フィクションのはずだが、自分が映画の登場人物のような錯覚を覚えてしまう。
東日本大震災から11年。
こんなアプローチの映画ができてくれてよかった。
監督:曽根剛 脚本:上田慎一郎
劇中演劇脚本:小室好司 地元劇団:久慈市民おらほーる劇場 音楽:鈴木伸宏、伊藤翔磨
助監督:高田真幸、大川祥吾 監督補:犬童一利 制作担当:内藤由美 録音:鳥井祐樹 メイク:河村夏海、赤坂街子 衣装:萬行優
主題歌:Awich「One Day」 (ユニバーサル ミュージック)
エグゼクティブプロデューサー:井上裕、坂岡功士、有馬一昭、宇治重喜
制作プロデューサー:源田泰章
プロデューサー:奥出緑、小川貴弘、村上凌太、田中茂裕、梶原剛、中福島健斗
出演:マイケル・キダ Awich 毎熊克哉 片山萌美 ライアン・ドリース ルナ 中村優一 アレキサンダー・ハンター 西尾舞生 / 渡辺裕之 ほか
<本ブログ内リンク>
ベルギー出身の監督による、Fukushimaのドキュメンタリー
『残されし大地』(La terre abandonnée)
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2017/03/la-terre-abandonnee.html
<公式サイト>
「永遠の1分。」
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