2024年10月29日火曜日

フランス人の目がとらえた、山田洋次監督("Le Japon vu par Yamada Yogi" )

 フランス人の目がとらえた、山田洋次監督


 2024年9月、山田洋次監督の評伝が、大月書店から発売された。タイトルは、『山田洋次が見てきた日本』(原題:Le Japon vu par Yamada Yogi)。作者は、フランス出身のジャーナリスト、クロード・ルブラン氏(Claude Leblanc)。ルブラン氏が日本に滞在していた40年程前、映画館で見た「男はつらいよ」シリーズに夢中になり、寅さんの旅路をなぞりながら日本の地理や文化を学んだそうだ。山田洋次監督もまた、マルセル・パニョルやジャック・タチといった、フランスの映画人から多くを学んだ人だ。クロード・ルブラン氏が1年をかけて書き上げた本書は、山田洋次監督は映画を愛する多くのフランス人に読まれ、パリ日本文化会館で上映された山田洋次監督の特集は異例のロングランとなった。


2024年11月2日と11月3日の「寅さんサミット2024」では、クロード・ルブラン氏のサイン会が予定されている。両日とも13:00-14:00。(本書は会場での購入も可能)。








<本ブログ内リンク>

『ぼくの伯父さん』(Mon Oncle) --Monsieur Hulot と寅次郎―

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2016/09/mon-oncle-monsieur-hulot.html


<関連サイト>


【大月書店通信】第188号(2024/9/30)

『山田洋次が見てきた日本』が紹介されています

https://note.com/otsukishoten/n/nba6eff91b24f



「寅さんサミット2024」公式サイト

https://torasan-summit.jp/

2024年10月8日火曜日

『ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち』(Belle Époque)


                                     美術館前のロビー。パネルの奥では本展の解説動画が流れている。


 ベル・エポック(Belle Époque)、日本語に訳すと「美しき時代」。

 館内に入ると、エリック・サティーのピアノが聞こえてくる。右手には当時ブルジョワの小さな女の子が着用していたドレスが展示されている。そんな華やかさを目にしながら左へ進むと、レモンを右手に持った少年の絵が目に飛び込む。パリの孤児を描いた「小さなレモン売り」(フェルナン・ペレーズ/1890年)だ。その隣では、扇子を広げた娼婦が、まっすぐにこちらを見ている。

 ミッシェル・オスロ監督の映画『ディリリとパリの時間旅行』(原題:Dilili a Paris)にインスパイアされたこの企画展は、映画がそうであったように、ベル・エポックの時代の光と影の両面を私たちに見せてくれる。「道化師の画家」ジョルジュ・ルオーをはじめ、当時の画家たちが描く道化師たちの哀愁を帯びた表情に心惹かれるのは、仮面をつけて生きなければならない現代社会の私たちとも通じる何かがあるからなのだろうか。朗読や影絵芝居の再現映像もある。ゆっくりと館内を歩いているうちに、ここが21世紀の東京であることを一瞬忘れてしまいそうになる。時間と空間を超えるという感覚は、このことかもしれない



<本ブログ内リンク>

『ディリリとパリの時間旅行』(Dilili à Paris

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2019/08/dilili-paris.html



<公式サイト>


パナソニック汐留美術館

https://panasonic.co.jp/ew/museum/


会期:2024105日(土)~ 1215日(日)