2019年8月24日土曜日

『ディリリとパリの時間旅行』(Dilili à Paris)


  今日から上映が始まった、魅力たっぷりのアニメーション。
映画のあらゆるシーンに登場するベル・エポックの著名人たちもお見逃しなく。
ムーラン・ルージュの楽屋に登場したコレットに出会えて、心が躍る私でした。

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『ディリリとパリの時間旅行』(原題:Dilili à Paris

© 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS –
WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION 


「少女が誘拐された!」
パリの街に緊張が漂う。
そのとき、小麦色の肌をした小さな少女が青年に尋ねる。
「この国では少女を誘拐する風習があるの?」
  あまりにも純粋な問いかけに、子供なら無邪気に笑うだろうし、大人なら思わず苦笑してしまうだろう。
  ニュー・カレドニアからやってきたディリリという少女は、白いドレスに身を包み、礼儀正しい振る舞いで美しいフランス語を話す。ミシェル・オスロ監督が紡ぎ出すアニメーションの動きはもちろんのこと、登場人物の台詞の響きが映画に生き生きとした印象を与えている。
  自分が差別的な発言をされて傷ついたとき「仕方ないわ……」(C’est la vie) と力なく答えるときも、四つん這いで歩かされていたところを見られて「恥ずかしい!」と泣き顔になってしまうときも、艶やかな声の演技が、小さいながらも誇り高いディリリをいっぱいに表現してくれている。上映は、フランス語版と日本語吹き替え版がある。原語の優雅なリズムを楽しむのもよいし、吹き替え独特のテンポを楽しむのもよさそう。


© 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS – 
WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION




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差別的な発言を投げかけられて”C’est la vie”とつぶやくディリリに、“Calin(抱っこ)をしましょうね”と言ってディリリを抱きしめながら歌う、オペラ歌手・エマ・カルヴェのシーンがとても素敵です。美しい衣装をまとった婦人の内面からにじみ出るで母性こそ、ミシェル・オスロ監督が伝えたかった「人の温かさ」ではないでしょうか。

© 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS – 
WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION

<本ブログ内リンク>

本作はフランス映画祭2019でも上映されました。

フランス映画祭2019を終えて

<公式サイト>


『ディリリとパリの時間旅行』


監督:ミッシェル・オスロ
声の出演:プリュネル・シャルル=アンブロン、エンゾ・ラツィト、ナタリー・デセイ

2018年/フランス・ベルギー・ドイツ/94
配給:チャイルド・フィルム
8月24日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

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