2024年11月22日から公開が始まりました。
この映画の脚本が書かれたのは、2021年6月。そしてロシアがウクライナに侵攻したのは2022年2月24日。映画の撮影は3月初旬に始まりました。
この映画が放つメッセージから、私たちは何をみつけるでしょうか。
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「チネチッタで会いましょう」(原題:Il sol dell’avvenire )
監督:ナンニ・モレッティ
とにかくお茶目なのだ。
この映画の主人公ジョバンニも、そして演じるナンニ・モレッティ監督自身も。
5年に一度、映画をつくるときにはジェラートを食べながらジャック・ドゥミ監督の「ローラ」(原題:LOLA)を見る。そう決めている。妻のパオラ(マルゲリータ・ブイ)も娘も辟易しているが、本人は気づかない。彼が次に撮ろうとしているのは、1956年のヨーロッパが舞台。ソ連のハンガリー侵攻、イタリア共産党員たちの苦悩……作品は重厚だが、撮影現場の状況はコメディそのもの。そのアンバランスさもまたお茶目。こだわりが強すぎて、時代に取り残されつつある老境の映画監督という役どころは、モレッティ監督自身をデフォルメしたかのよう。
映画好きにとってはたまらなく嬉しい。ジョバンニの口から飛び出す映画の数々。海の向こうのマーティン・スコセッシ監督に電話をかけてコメントを求めるシーンでは、笑いが止まらない。ナンニ・モレッティ作品の大ファンのマチュー・アマルリックが(うさんくさい)プロデューサー、ピエール役で登場し、さらに笑いを増幅させる。フェデリコ・フェリーニへのオマージュも、もちろん。
過去のモレッティ映画の出演者たちがぞくぞくと登場するシーンもある。モレッティ映画をずっと観てきた人には、同窓会のような懐かしさじゃないだろうか。
原題の"Il sol dell’avvenire “は、イタリア語で「未来の太陽」という意味。
70代となった映画監督の、「それでもあきらめない」姿勢と「映画で何かを変えよう」とする姿勢がうれしくてたまらない。
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「ブルース・ブラザーズ」に出演したアレサ・フランクリンの歌を聴きながらジョバンニとパオラが車の中で踊るシーンと、ジョバンニとピエールが2人並んで自転車で夜の街を行くシーンがとても好きです。
<本ブログ内リンク>
ナンニ・モレッティ監督作品
「3つの鍵」
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2022/09/3-tre-piani.html
<公式サイト>
「チネチッタで会いましょう」
https://child-film.com/cinecitta
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