2026年4月29日水曜日

『ARCO/アルコ』 (2025年フランス)

 


ARCO/アルコ』  2025年フランス)

監督:ユーゴ・ビヤンヴニュ

製作:フェリックス・ド・ジブリ

   ソフィー・マス

   ナタリー・ポートマン



『やぶにらみの暴君』。

子供の頃、雑誌で目にした映画のタイトルだ。どんな内容の記事に書かれていたのか覚えてはいないけれど、それがフランスのアニメーションであること、自分が生まれる前に上映されて多くのアニメーション作家に影響を与えたことは、はっきりと覚えている。

 監督はポール・グリモー。この映画を思い出させてくれたのが、ユーゴ・ビヤンヴニュ監督だ。監督はこんな言葉を残している。


「高畑勲監督と宮﨑駿監督の作品に見られる人間の複雑な心理や高低差のある舞台には、ポール・グリモー監督『やぶにらみの暴君』の影響があります。(中略)るで浮世絵がジャポニスムの流行を生んだように、長い時間をかけて日仏相互のクリエイター間で影響が循環しているように思います」

(《ARCO 》プレス資料より抜粋)

 かつて、ユーゴ少年に大きな影響を与えたものの1つが、ジブリ作品だった。そして、ジブリ作品の中核であった高畑勲監督と宮﨑駿監督が影響を受けたのが、フランスのアニメーションだった。なんて美しくて、なんて優しい循環だろう。アイガモ農法のように、ヤギの草刈隊のように……こんな風に循環していけば、地球が傷つくことも少なくなるし、人と人とがぶつかり合うこともないだろうに、と思う。


ARCO/アルコ』は、手描きのセルアニメーション。詳しい人であれば、それがどれだけ時間や予算がかかる大変な作業かわかるだろう。1000個のデコレーションケーキを、工場の流れ作業ではなくパティシエが1つずつ作り上げていく、と例えれば少しわかりやすくなるかもしれない。

少女と少年の時空を超えた交流、滅びゆく地球、家族の愛……あたたかみのある手描きのタッチに包まれる心地よさをどうぞ。



                       ©2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA



<本ブログ内リンク>


フランスの名作アニメ、ここにも。

『ディリリとパリの時間旅行』(Dilili à Paris)


https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2019/08/dilili-paris.html




<公式サイト>

ARCO/アルコ』 

https://arco-movie.jp


配給:AMGエンタテインメント ハーク 









2026年4月16日木曜日

EEPMON展:デジタルアートが生み出す無限の世界 



今から3ヶ月ほど前に開催された、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が開催されてから、3ヶ月の月日が流れました。カナダのカーニー首相の演説が注目を浴びたことを覚えていらっしゃる方も少なくないと思います。ちょうどその頃、カナダ大使館の方から伺った話が印象に残っています。カーニー首相は、自国を「多元主義社会」(Pluralistic society)という言葉で表現されていたのだそうです。「多様性」(Diveresity) という言葉は、日本でもだいぶ馴染みのある言葉になってきた感があります。しかし「多元性」(Plurality) という言葉を聞く機会はまだ少ないのが現状です。

 カナダという国が持つ大きな可能性が「多元性」という言葉に秘められていることを、体で感じることができるのが、この展覧会です。


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EEPMON展:デジタルアートが生み出す無限の世界 


 なぜか、訪れるととても元気になれる。

 カナダ大使館の地下2階にある、高円宮記念ギャラリーで開催されている、EEPMON展。

EEPMON(イープモン)はアーティスト名。彼は中国をルーツに持ち、オタワで学んだ。

入口で孫悟空のような可愛いサルが迎えてくれるのは、彼が申年生まれだから。育った街を愛しているから、ルーツを大切にすることもできるのだろう。今回の作品は、渋谷と新宿を訪れたときのひらめきがモチーフとなって生まれた。東洋と西洋の文化を軽やかに行き来しながら紡ぎ出すEEPMONのデジタルアートは、明るさに満ちている。第二次世界大戦が終わり、21世紀となった今でも、この世界では戦争が続いている。でも、私たちには未来があって希望がある。そのことに気づかせてくれる時間を大切にしたい。



2026年1月 
高円宮記念ギャラリーにて撮影
 (c)Mika Tanaka



<展覧会概要>
 
EEPMON展:デジタルアートが生み出す無限の世界 
 
2026年5月12日(火) まで
10:00〜17:30(最終入場 17:00)
休館日:土曜日、日曜日 
(4月29日・5月6日は開館、5月4日・5月5日は閉館)


場所:カナダ大使館高円宮記念ギャラリー 
(東京都港区赤坂7-3-38 地下鉄「青山一丁目」駅より徒歩5分)
入場: 無料 
 
政府発行の写真付身分証明書(運転免許証、パスポート等)を持参のこと。


  
<カナダ大使館高円宮記念ギャラリーの公式サイト>


<カーニー首相の演説について>

カナダ大使館公式サイトで、ダボス会議での演説(日本語訳)の全文が記載されています。

「原則と現実 - カナダの進む道」
世界経済フォーラム年次総会 マーク・カーニー首相演説
(2026年1月20日 スイス、ダボス)