2015年6月22日月曜日

鎮魂の思いを込めて…『皇帝と公爵』 

鎮魂の思いを込めて…『皇帝と公爵』 

今日は、沖縄慰霊の日。戦後70年という節目でもあります。

2年前のこの日、日本でこんな映画が上映されました。

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フランス映画祭2013上映作品
『皇帝と公爵』(原題:Linhas de Wellington/2012/フランス・ポルトガル)

(フランス映画祭2013の上映時のタイトルは、
『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男(仮)』)

 戦争は、いつにあってもどこにおいても、同じように悲しい。巻き込まれ、犠牲となるのはいつも弱者だ。チリ出身の巨匠、ラウル・ルイス監督は、本作に取り組んだものの、撮影前の2011年に他界。ラウルの伴侶であったバレリア・サルミエントがその遺志を継いだ。多くの女性や子供たちが心を踏みにじられるさまは、女性監督ゆえの描写だったのだろうか。




(フランス2013のために来日した、バレリア・サルミエント監督

2013623日、有楽町朝日ホールにて撮影


 1810年、ナポレオン皇帝の命により、マッセナ元帥(メルヴィル・プポー)はポルトガル征服を企てる。ナポレオンの宿敵、ウェリントン将軍(ジョン・マルコヴィッチ)が率いるイギリス・ポルトガル連合軍がこれに対峙する。本作で描かれるのは、ナポレオンがポルトガルに侵攻してからから撤退するまでの間、ウェリントン将軍が張った防衛線のもとで繰り広げられた、さまざまな人間模様だ。 

  上映終了後、「この作品を通してもっとも伝えたかったことは?」という観客の質問に対し、サルミエント監督はこう答える。「この戦争が、私たちにどのような結果をもたらしたのか、今日のヨーロッパがいかに残酷な事実を経た上で成り立っているのか、それを伝えたかったのです」。

  上映された日は、2013623日。「沖縄慰霊の日」だった。鎮魂の思いを重ね合わせて鑑賞したという観客の声もあった。

 ラウル・ルイス監督へオマージュを捧げるため、多くの名優が出演。ジョン・マルコヴィッチ、マチュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーヴ、ミシェル・ピコリ、イザベル・ユペール、キアラ・マストロヤンニ、メルヴィル・プポーetc...... 彼らが演じるシーンは、短いながらも華やかだ。一方で、歴史的史実に忠実につくられた映画であることを思うと、やはり胸がいたむ。
戦争は、いつだって悲しい。

<公式サイト>
今年のフランス映画祭は、6月26日から始まります。

フランス映画祭2015 



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