Le
14 Juillet ( 7月14日)。
フランスの人たちにとって大切なこの日に、この映画の上映が日本で始まります。
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映画の中のこどもたち その6
女性監督が描く、等身大のドキュメンタリー映画 その2
『子どもが教えてくれたこと』 (原題:Et les mistrals gagnants)
映画に出演するのは実在の子どもたち。みんな何かしら病気を持っている。
アンブルの病気は、動脈性肺高血圧症。命綱のリュックサックを肌身離さず背負っている。
カミーユは神経芽腫(骨髄)。小児がんの一種だ。
テュデュアルは左右の目の色が違う。3歳のときに行った手術が原因という。
イマドは腎臓に障害があって、腹膜透析をしている。
シャルルは肌がとても弱い。皮膚がはがれたり水泡ができたりする病気(表皮水泡症)で、体を包帯で覆っている。
みんな遊びたい盛りの子供たち。彼らは、自分の病気と向き合い、現状を理解しながら、自分たちの人生を生きる。この映画は、アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督のデビュー作。彼女自身が、2人の子どもを病気で失うという経験を持つ。わが子を失うときの身を切るような、いやそれ以上のつらさを知りながらも、なぜ、ジュリアン監督はこの映画を撮影する強い心を持ち得たのだろうか?
フランス映画祭2018で本作が上映されたとき、ジュリアン監督は観客からの質問にこう答えている。「つらいことも多くありましたが、発見することも多かった。だから、その発見を皆さんと共有したいという思いで映画をつくりました」。泣いていたかと思うと次の瞬間は笑っている。現場では、そんな子どもたちが大人をリードしていった。彼らの発言はときとして、大人以上に哲学的だったりする。
©Incognita Films-TF1 Droits Audiovisuels
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伴侶を失ったばかりのニワトリを見ながら、テュデュアル君がこんな風に言う。「長生きしてほしい」と。長生きできれば、悲しいことを忘れるための時間もできるからと。
ああ、そのとおりだ!時間は「大切な人を失った苦しみ」を与えるんじゃなくて「その苦しみを忘れる」チャンスを与えてくれるんだ。テュデュアル君のこの言葉は、アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンさんの子どもたちが、天国からお母さんへ送ってくれたメッセージじゃないかと思った。客観的で冷静なドキュメンタリーもいいけれど、こんな、等身大でほのぼのとするドキュメンタリーもいい。
アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアル……みんなが、これからも思い切り笑って過ごせる社会でありますように。
フランス映画祭2018で来日した、ア ンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督 (2018年6月23日撮影) Anne-Dauphine Julliand © Mika Tanaka |
<本ブログ内リンク>
フランスの女性監督によるドキュメンタリー映画がここにも。
『バベルの学校』(La cour de Babel/ 2013年/仏) その1
<公式サイト>
子どもが教えてくれたこと
http://kodomo-oshiete.com
■監督・脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン
■出演:アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアル
2016年/フランス/フランス語/カラー/80分/ヴィスタサイズ/DCP
配給:ドマ
7月14日(土)より、シネスイッチ銀座 ほか全国順次公開
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