今日は敬老の日。
2019年の『男と女 人生最良の日々』を撮り終えた頃、クロード・ルルーシュ監督は81歳、主演のジャン=ルイ・トランティニャンは88歳、アヌーク・エーメは87歳でした。
記憶を失いかけ、車椅子の生活になっても恋はできる。
後悔があってもやり直すことができる。
そんなことを教えてくれる映画です。
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『男と女 -クロニクルズ-』
監督:クロード·ルルーシュ
限られた少ない予算で製作した1966年の『男と女』(原題:Un homme et une femme)。そして、高齢となった主演俳優2人の体調を気遣いながらスピーディーに撮影を行った2019年の『男と女 人生最良の日々』(原題:Les plus belles annees d'une vie)。数々の制限を強みに変え、クロード・ルルーシュ監督は恋人たちの出会いと晩年を美しく描き切った。
アンヌ役のアヌーク·エーメ、ジャン·ルイ役のジャン=ルイ·トランティニャンはもちろんのこと、2人の子供たちも同じ俳優が演じている。
「こんなこと、日本(の映画)でありえますか!?」と、フランス映画祭2019の上映で岸恵子さんがはずむ声で語っていたのがなつかしい。
『男と女 人生最良の日々』で印象に残っているのは、早朝のパリを車で飛ばすシーン。愛する人に会うために。パリの街並みがドライバーの目線で流れる、それだけなのになぜこんなにも切なくて愛おしいのだろう。映画の魔法に心吸い寄せられたのを今でも覚えている。この映像は、同監督による短編ドキュメンタリー『ランデヴー』(原題:C'etait un rendez-vous、1976年)から再編集したもの。今回の特集上映で『男と女』の上映とセットで『ランデヴー』を観ることができるのがとても嬉しい。
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ジャン=ルイ・トランティニャンは、2022年、天に召されました。
最後の最後まで、俳優として生きた人でした。
<本ブログ内リンク>
フランス映画祭2019を終えて
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2019/07/2019.html
<公式サイト>
『男と女 -クロニクルズ-』
https://www.manandwoman-chronicles.com/

