第28回東京国際映画祭が、明日10月22日から始まります。
顔ぶれ豊かなドキュメンタリー作品の中の1作『シーズンズ 2万年の地球旅行』(原題:Les Saisons)の製作に、ジャック・ペラン(Jacques Perrin)の名がありました。
この映画のことをふと思い出しました。
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ニュー・シネマ・パラダイス(原題:Nuovo Cinema Paradiso/1989年/伊)
映画を愛することは人生を愛すること
「夢」と「愛」は両立するのだろうか?
自分の仕事への夢と、愛する人との生活。この2つは両立できるのか、できないのか。
もしもどちらか1つしか選ぶことができなかったら、あなたならどうするだろうか?
この問いを本作に投げかけたのは、撮影当時30代前半だったジュゼッペ・トルナトーレ(Giuseppe Tornatore)監督だ。
サルヴァトーレ(ジャック・ペラン/Jacques
Perrin)は、映画監督として大成功をおさめながらも、いつも何かが欠けているような満たされない思いを抱えて生きていた。その理由が故郷の回想シーンで語られていく。
サルヴァトーレが育ったのはシチリア島の小さな村。映画が大好きで、映画館・パラダイス座の映写技師アルフレード(フィリップ・ノワレ/Philippe Noiret)を父親のように慕っていた。はきちれそうな好奇心、限りない可能性を持つやんちゃな少年を、アルフレードは誰よりも深く理解する。いつしかサルヴァトーレはたくましい青年へと成長していく。
「人にはそれぞれの運命がある」。失恋の痛手に苦しむサルヴァトーレにアルフレードは「村を出ろ」と告げる。「お前は若い。私たちを、すべてを忘れろ。ノスタルジーに惑わされるな……何をするにしても心から打ち込め。子供の頃、映写室に夢中になったように」
学校に通うことができなかったアルフレードに待っていたのは、狭い映写室で単調な作業を繰り返す生活だった。しかしそこで目にする映画から、いつも大きな夢と愛をもらっていた。彼は、映画が届けてくれた数々の贈り物をひとつ残らずサルヴァトーレに手渡し、前途溢れる青年の背中を押す。血が通っていなくとも、2人はある意味で本当の父子だった……
日本で初めて劇場公開されたのは1989年12月。銀座の小さな映画館、「シネスイッチ銀座」に長蛇の列ができ、多くの人が涙をぬぐいながら帰路に着いた。40週におよぶ連続上映、驚異的な興行成績をおさめ、そのトップの記録は2015年10月現在、いまだ更新されていない。
このとき上映されたのは「劇場公開版」の124分のバージョンだが、今は、50分程のシーンが再現されたオリジナル版(175分)をDVD等で観ることが可能だ。サルヴァトーレの恋人だったエレナとの後日談が収録されている。成熟したエレナを演じるのは『禁じられた遊び』(Jeux interdits)の子役であり、『ラ・ブーム』(La Boum)でソフィー・マルソー(Sophie Marceau)演じる主人公の母親を演じた、ブリジット・フォッセー(Brigitte
Fossey)。
自分がアルフレードの立場だったらどういう行動を取るか、どんな助言をするか、想像しながら観てほしい。映画が終わってからも登場人物たちの人生は続き、そして私たちの人生も続いていく。ひとつひとつ、選択と決断を繰り返しながら……
ニュー・シネマ・パラダイス
Blu-ray&DVD発売中
Blu-ray:2,500円/DVD:1,800円(税抜)
発売元:アスミック・エース
販売元:KADOKAWA 角川書店
(c)1989
CristaldiFilm
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