2015年10月20日火曜日

『ひなぎく』(Sedmikrasky) その1

かつて、自国の政治的な圧力により、何年間も創作活動を停止させられていた映画監督がいました。チェコ・ヌーヴェルヴァーグの旗手、ヴェラ・ヒティロヴァー(Věra Chytilová)さんです。やり玉に挙げられたひとつが、この映画。

1024日(土)から池袋の新文芸坐(オールナイト)で、1128日(土)からユジク阿佐ヶ谷(レイトショー)で上映されます。

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『ひなぎく』(原題:Sedmikrasky/チェコ・スロヴァキア/1966/75)その1
監督:ヴェラ・ヒティロヴァー(Věra Chytilová

 「カワイイ」(kawaii)という日本語が世界中で大ブレイクする何十年も前、既にこの「カワイイ」映画がチェコ・スロヴァキアの1人の女性監督によってつくられていた、このオドロキと喜び!

 ©State Cinematography Fund
【配給】チェスキー・ケー

2人の女の子がつまらなそーにぼやき、お花畑でぴょんぴょんと飛び跳ねたかと思うと、物語は不条理っぽい展開を見せ、スクリーンを疾走する。
「男はなぜ愛するという代わりに卵と言えないの?」」
 ポップ・ソングの歌詞のような台詞がはじけるかと思えば、「誰がガス代払うの?」といった現実的な会話も。背広を着たおじさんがマジ顔で「何がなんだかわからない」とぼやくシーンがあまりにも当たり前すぎて、リアルだ。
 オシャレで奔放、きゃぴきゃぴしているのに、「私たちダメ人間」、「通り過ぎる人生の匂い」と言ったり、なにげに物憂げな感じ。世の中の大半の女の子をデフォルメすると、彼女たちのようになるのだろう、きっと。
 あほくさい、でもおもろい〜、とゆるりしながらも夢中で見ているうちに、最後の最後で「ををっ!」と思わず声を挙げたくなってしまう結末!
 この国と周辺の歴史を知っている人なら、深読みしながら、左脳を駆使してしっかりじっくり鑑賞できる。でも、そんなことぜーんぜん知らなくても、右脳で浮遊しながらオトメゴコロを存分に解放してあげられる。
 深読み浅読み、どちらもOKなところが、この映画のすごーい魅力。


 ©State Cinematography Fund
【配給】チェスキー・ケー


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<本ブログ内リンク>
『ひなぎく』 その2
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/10/sedmikrasky2.html

<公式サイト>
映画『ひなぎく』  



<上映のお知らせ>

池袋「新文芸坐」

1024日(土)オールナイト上映
<一瞬と永遠 少女たちが見た風景>
上映作品 :『ひなぎく』『アリス』 『エコール』『パンズ・ラビリンス』
時間:2230開映 翌550終映
場所:池袋「新文芸坐」
入場料金:当日2300円、前売・会員2100円
前売券:9/30(水)より新文芸坐窓口先行発売


ユジク阿佐ヶ谷

11/28()12/11()レイトショー20:30〜 
料金:1,000円(ラピュタの半券で800円)
*昼の上映は『クーキー』、チェコアニメ(クルテク、アマールカ、ポヤル短篇、
ぼくらと遊ぼう!、『バヤヤ』『真夏の夜の夢』、コウツキー短篇、パヴラートヴァー短篇)








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