十五夜の空をめでた後は、素敵な「紅葉」の季節が待っています。
箱根・仙石原のポーラ美術館で開催中の展覧会をご紹介します。
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ポーラ美術館
平日は税関吏として働き、休日は日曜画家として絵筆を取ったアンリ・ルソー。日本を追われ、フランスへ渡った後も、自分の本当の居場所を探し続けていたレオナール・フジタ(藤田嗣治)。役者としても画家としても挫折した結果、「職業写真家」という道を切り開いたウジェーヌ・アジェ……一見、まったく異なる作風を持つ3人。そんな3人が「描こう」とした風景にこんな共通点があるのか、と教えてくれるのがこの展覧会。
20世紀初頭のパリ。エッフェル塔が建設され、世の中がパリ万博に浮かれていた時代に、この3人が目を向けたのは街の中心地ではなく、郊外(banlieue)だった。うらさびしいような、それでいてどこか優しいような、私たちが忘れそうになっているパリの本質をとらえた彼らの作品の数々。
寒さをしのぐため、貧しかった頃のフジタは、自分の絵を暖炉にくべていたという
。それでも、暖炉にくべることなく残った作品もある。そのことを思いながら、彼の『キュビスム風静物』を見ると、心の中が熱くなってくる。
「フジタとプティ・メティエ」と称された一画では、働くこどもたちの姿が並ぶ。よく見ると、彼らは職人であったり、芸術家であったり、ときにはスリなどの犯罪者であったりする。社会の外側に追いやられそうになりながらも、懸命に生きようとする「境界線」の人々の姿がいとおしい。
目だけではなく、「音」も楽しんで。音声ガイドには、ドビュッシーやラベルの曲とともに、ルソーが作曲した曲がおさめられている。『ヴァイオリンもしくはマンドリンのための序章付きワルツ、クレマンス』という可愛らしい三拍子の曲だ。絵画を描くのと同じように、ヴァイオリンの演奏を愛したルソー。
生きることって、なんて素敵なことなんだろう! ルソーのそんな声が聞こえてきそう。
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渋めの企画展を見終えたら、下の階へすすみ、常設展示もぜひ。
「じっくり07ちかづく」というプロジェクトでは、 ジョルジュ・スーラの点描画をパズルで楽しめる。 |
色鮮やかな壁に飾られたルノワールを見ていると、幸せな気分でいっぱいに。 もう少しすすむと、鮮やかな青の壁に飾られたデュフィの絵に出会える。 |
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新緑のポーラ美術館へ
Modern Beauty
フランスの絵画と化粧道具、ファッションにみる美の近代
ポーラ美術館
2016年9月10日(土)~3月3日(金)
休館日:年中無休(臨時休館日もあるので、美術館に問い合わせを)
開館時間:09:00〜17:00 ※入館は16:30まで
入館料:一般1,800円 65歳以上1,600円 高校生・大学生1,300円
小中学生700円(土曜日は、小中学生無料)
(団体割引あり、障がい者の付き添いは1名まで無料)
問い合わせ:0460-84-2111(ポーラ美術館)
関連サイト: http://www.polamuseum.or.jp/sp/paris_2016/
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