映画の中のこどもたち その2
『Dearダニー 君へのうた』(原題:DANNY COLLINS / 2015年/アメリカ)
多動性障害(ADHD)。
この映画に出てくるホープという女の子(ジゼル・アイゼンバーグ)は、そう呼ばれている。
簡単な言い方をすると、落ち着きがない子、だろうか。自分の感情やコントロールするのが著しく苦手で、衝動的に行動してしまうこどものことだ。
それって「障害」なの?
親のしつけが悪かったんじゃないの?
そんな声もあがってきそうだけれど、この映画を見ると、ADHDについて少しだけ知ることができると思う。
ホープを心から愛し、大切に思う両親がいる。
トム(ボビー・カナベイル)とサマンサ(ジェニファー・ガーナー)だ。
彼らは、ADHDのこどもでも、レッテルを貼られずにのびのびと教育を受けることができるようにしたいと願っている。
でも、そんな行き届いた教育のために必要なものがない。
「金」だ……
そんなとき、突然、天から降りてきた救い主のように現れたのが、ホープのおじいちゃん、ダニー・コリンズ(アル・パチーノ)だった。
ダニーは、絶頂期は過ぎたけれど、豪邸もかっこいい車も持つミュージシャン。新曲は書けなくても、大ヒット曲『ヘイ・ベイビードール』さえ歌っていれば、ツアーは満席になる。だから、会ったばかりの愛しい孫のために、惜しまずに大金を出してしまう。
こうして、ホープは、有名な私立学校に入学することができる。
金のためでなく、自分や愛する人のために人生をやり直そうと決心したダニー。でも、皮肉にも、孫娘を救ったのは「金」だった。
「家族を養わなきゃならないしな」とつぶやいて、望まないツアーに出るダニーの表情が忘れられない。
9月5日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
配給・宣伝:KADOKAWA
ADHDであろうとそうでなかろうと、金があろうとなかろうと、こどもがそれぞれの個性に応じた教育が受けられる社会であってほしい。
この映画のもう1人の主人公、ジョン・レノンだって、間違いなくそう思っているんじゃないだろうか。
<本ブログ内リンク>
映画の中のこどもたち その1 『バレエボーイズ』
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/09/ballettguttene.html
『カフェ・ド・フロール』その3 (ダウン症のこどもたち)
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/cafe-de-flore-3.html
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<公式サイト>
『Dearダニー 君へのうた』
http://deardanny.jp
出演:アル・パチーノ
アネット・ベニング
ジェニファー・ガーナー
ボビー・キャナベール
クリストファー・プラマー
監督:ダン・フォーゲルマン
原題:Danny
Collins/2015年/アメリカ/107分/スコープ/5.1ch /字幕翻訳:藤澤睦実
配給・宣伝:KADOKAWA
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