『Dearダニー 君へのうた』その2(原題:DANNY COLLINS / 2015年/アメリカ)
この映画は「ちょっとだけ実話に基づいた物語」だ。
イギリスのシンガー・ソングライター、スティーヴ・ティルストン(Steve Tilston)氏が、34年を経てジョン・レノンからの手紙を受け取ったというニュースが、この映画と監督と脚本を手がける、ダン・フォーゲルマン(Dan Fogelman)にインスピレーションを与えた。
旬を過ぎて化石になりかけた有名ミュージシャン、ダニー・コリンズの人生を変えたのが、43年ぶりに届けられた、ジョン・レノン(John Lennon)からの手紙だった。
音楽雑誌のインタビューで「富と名声を手に入れたら、作る歌に影響が出ると思うか」と質問されたダニーは「影響が出ると思う」と答える。その記事を読んだジョン・レノンが、編集部に手紙を送った。手紙は「金は君を変えない。君自身が君を変えるんだ」と始まり、こんなふうに結ばれている。
Stay Tune to your music.
Stay tune yourself.
The rest will follow.
My phone number is below.
Call me.
We can discuss this.
We can help.
Love
John,
君の音楽に
そして君自身に忠実でいればいいんだ。
そして君自身に忠実でいればいいんだ。
あとは心配いらない。
ぼくの電話番号を書いておくよ。
何か力になれると思う。
ジョンより
スターとしての絶頂期はとうに過ぎて、新曲を何年も出さずにいたダニー。
「この手紙をもっとはやく受け取っていたら…」という悔恨の思い。
でも、「今からやり直そう」と動き出すところは、大スターになれるだけの素質があったダニーだからこその行動なのだろうか。
それとも、それほどまでに、ジョン・レノンのメッセージが誠実で熱いものだったからなのだろうか。
アル・パチーノ、アネット・ベニング、クリストファー・プラマー…… 名優たちの味のある演技はもちろんだけど、温かくて軽やかなテンポの脚本がすてき。
診察室でのさりげない父子の会話、ドクターのひと声。
仕立てのよい、上質なジャケットを羽織ったような気分になれる映画。
9月5日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
配給・宣伝:KADOKAWA
<本ブログ内リンク>
映画の中のこどもたち その2 『Dearダニー 君へのうた』
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/09/dear-danny-collins.html
<公式サイト>
『Dearダニー 君へのうた』
http://deardanny.jp
出演:アル・パチーノ
アネット・ベニング
ジェニファー・ガーナー
ボビー・キャナベール
クリストファー・プラマー
監督:ダン・フォーゲルマン
原題:Danny
Collins/2015年/アメリカ/107分/スコープ/5.1ch /字幕翻訳:藤澤睦実
配給・宣伝:KADOKAWA
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