秋の虫の音が優しい音色を奏でる季節。緑豊かな東京富士美術館にも、秋の気配が漂います。9月21日から『遥かなるルネサンス』展が始まりました。
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親子で美術館へ… その1 『遥かなるルネサンス』展
2017年9月21日から東京富士美術館で始まった『遥かなるルネサンス』展では、16世紀、日本からヨーロッパへと旅をした「天正遣欧少年使節」の物語がつむがれる。
日本の若者が、自身の目でヨーロッパの文化を見聞し、日本に戻って伝えるという大プロジェクトを発案した、宣教師ヴァリニャーノ。彼のはたらきかけによって、4人の少年たちがイタリアを中心に旅をした。教皇との謁見、教会の儀式への参列、西洋の街並み、美しい美術品の数々…… 武士が治める島国から海を渡った少年たちの驚きと感動が、見る人にダイレクトに伝わるよう、彼らが目にした旅程をできるだけ忠実に再現されている。
照明は大人の目線に合わせられているので、こどもが鑑賞する場合は、作品から少し離れるよう。都心の美術館に比べ、休日であってもそれほどの混雑がないので、大人たちにさえぎられることはなさそうだ。展示室内では「ひそひそ話」が原則。小学生以上のこどもであれば、美術館は公共でのマナーを学ぶのにふさわしい場でもある。
美術館内のキッズルーム |
未就学のこどもたち(赤ちゃん、幼稚園、保育園児)にとって、暗い館内で静かに過ごすのは至難の業。赤ちゃんが泣きそうになったとき、こどもが騒ぎそうになったとき、そんなときにはまっすぐキッズルームへ。展示室内からの移動にそれほど時間はかからない。大人2人であれば、1人がキッズルームでこどもを見ている間、もう1人はじっくり鑑賞することもできる。
館内にはレストランがあり、親子で食事をとることができる。軽食であればカフェでもいい。外のテラスは天気のよい日は気持ちよく、緑の中で虫の音を楽しむことができる。蚊の季節もほぼ終わっているので、戸外でも比較的安心して過ごせる。ベビーカーの無料貸し出し、多目的トイレや授乳スペースも、親子連れには嬉しい。
美術館内のカフェレストラン・セーヌ |
「親子に優しい美術館」が、そして「親子で楽しめる展覧会」がもっともっと増えますように。
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少年使節が日本に帰国したのは、出発してから約8年半後のことでした。時の権力者は豊臣秀吉。「伴天連追放令」の発令が出された頃です。彼らのその後に思いを馳せると、涙が出そうになります。
<公式サイト>
東京富士美術館 公式サイト
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