上馬ガソリンアレイ出身のミュージシャンとして、まっさきに挙げられるひとりが杉山清貴さん。
今でも、第一線で活躍している杉山さんの、日比谷野外音楽堂でのライブが、明日8月8日に行われます。
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上馬ガソリンアレイという時代 その4
「ミュージシャンになりたい」
あるとき、若者はそう決心する。
そして、路地裏のライブハウスの戸をたたく。
「何か用か」
気難しそうな顔のオーナーが顔を出す。そして……
陳腐なドラマの脚本のようなつもりで書いてみた。でも、今の時代、このシーンが果たして陳腐と言えるのかどうか。むしろ「奇特(きとく)」という言葉の方がはまりそうだ。いつの日か、「ライブハウス」という言葉は死語になってしまうのだろうかと、そんな不安も覚える。
上馬ガソリンアレイ。
2012年3月にマスター・進士晃一さんの他界は、ひとつの時代の終わりを告げたかのように感じられた。
「ライブハウスが人を、音楽を育てる」という時代の終わりだ。
上馬ガソリンアレイの卒業生(出身者)は、どれだけの数にのぼるのだろうか。ある人は音楽を続け、ある人は音楽から遠ざかった。ある人はプロのミュージシャンとして活動を続け、ある人は別の世界で尽力している。それぞれがそれぞれの人生を歩んでいる。
それでも、上馬ガソリンアレイ卒業生をひとつにまとめられる言葉がひとつある。
「キラキラした思い出」だ。この小さなライブハウスの中では、誰ひとり浮ついた気持ちではいなかったはずだ。誰もが未来の自分に希望を抱き、マスターと真摯に向き合い、観客に熱いメッセージを送り続けていたのではないだろうか。
大切なのは、今、どんな職業で生活しているかという結果ではなく、何を学んだかということだと思う。
終戦から70年。ヒロシマ、ナガサキに続き、70回めの終戦記念日が訪れる。
「思い切り自分を生きた時代」を知っているガソリンアレイ卒業者たちは、この時代をどう考えているのだろうか。
「音楽」だけが社会を動かすことはない。それでも、個人の心には大きな何かを残す。その個人個人が社会の中核を担うとき、社会は大きく動き始めるはずだ。
いい音楽に囲まれて育った者、いい思い出を心に秘めた者であれば、社会は決して破滅的な方向には動かないと信じたい。
<本ブログ内リンク>
上馬ガソリンアレイという時代 その1
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/blog-post_6.html
上馬ガソリンアレイという時代 その2
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/blog-post_16.html
上馬ガソリンアレイという時代 その3(杉山清貴さん)
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/3-7-17-56-32-freelance-writer-mika.html
<オフィシャルサイト>
杉山清貴さんのライブ (The open air live
"High & High 2015") に関する情報は、下記ウェブサイトの”live”のタブにてご確認ください(当日券あり)
杉山清貴 オフィシャルWEBサイト
http://www.sugiyamakiyotaka.com/
— 猛暑続きの日々、体調を崩されず、思い切り夏らしい音楽を楽しめますよう!
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