♪Femme, femme, une femme avec toi ♪
“私は女、あなたと一緒にいる、ひとりの女 ”
20世紀後半、ニコル・クロワジール(Nicole Croisille)が奔放に、官能的に歌い上げた”Une Femme Avec Toi” (邦題:「あなたとともに」)が、この映画で大きな役割を果たしている。
8月8日から日本での公開が始まる『彼は秘密の女ともだち』(原題:UNE NOUVELLE AMIE)。
映画の中盤では、ゲイのエンタテイナーが華麗な衣装で”Une femmeavec
toi”を歌い、映画の終盤では、主人公のクレール(アナイス・ドゥムースティエ)がメルヘンチックに口ずさむ。
女であることが、こんなにも輝かしく、喜びに満ちあふれていることを、どれだけ多くの人が忘れてしまっているだろう!
異性のためではなく、自分自身のために着飾る。女という性を解き放ち、体じゅうに幸せのエキスを満たす……
20世紀とは少し違う、21世紀の女性讃歌をつむいだのは、フランソワ・オゾン(Francois Ozon)監督。アナイス・ドゥムースティエさんが「女性を美しく撮る監督」と語るとおり、彼がとらえる女性像は、決して世間に媚びることがなく、自分の足で立っている。
フランス映画祭2015のトークショー(Q&A)に登壇した
アナイス・ドゥムースティエ(Anaïs Demoustier)さん
(2015年6月27日、有楽町朝日ホールにて撮影)
太陽のように明るく、おおらかな女性、ローラ(イジルド・ル・ベスコ)の死。物語は、彼女の「死」から始まる。
彼女の幼い頃からの親友、クレール(アナイス・ドゥムースティエ)、そして、ローラの夫のダヴィッド(ロマン・デュリス)は、大切な人を失った悲しみを共有する仲。この2人が新しく築き始める関係は、一見複雑に見えるけれど、実はとてもシンプル。
「愛」だ…… お互いをいたわり、お互いを必要とし、お互いを理解すること。そこには、性別を超越した「人間」としての尊厳が存在している。
いつか、”LGBT”というカテゴリがなくてもいいぐらい、多様性が当たり前の時代が日本にも訪れることを願って……
<本ブログ内リンク>
フランス映画祭2015 その3
--来日ゲストが届けてくれた、フランスの風 -
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/2015_15.html
<オフィシャルサイト>
『彼は秘密の女ともだち』 (原題:UNE NOUVELLE AMIE)
http://girlfriend-cinema.com
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