フランス映画祭2018 速報 その2
『メモワール・オブ・ぺイン』(原題:La Douleur)
今日、6月23日は沖縄慰霊の日。
フランス映画祭は、毎年ちょうどこの時期に開催される。
そして、上映作品の中には、反戦の願いをこめたものがある。
今年のフランス映画祭もそう。14作品のうちの3作品で戦争が描かれる。
今日上映された『メモワール・オブ・ペイン』(原題:La Douleur)
は、ナチス占領下のパリで、家族をひたすら待つ女性たちの姿が描かれている。
原作はマルグリット・デュラス。そして監督はエマニュエル・フィンケル。
もう生きてはいないかもしれない夫の帰りをひたすら待ち続ける主人公を演じたメラニー・ティエリーさんが、上映後のQ&Aに登壇した。
「”待つ”というテーマには、フィンケル監督ご自身の強い思い入れがありました。というのは、監督のお父さまが、戦時中に連れ去られてしまった家族をずっと待ち続けていらっしゃったからです」
フランス映画祭2018で来日したメラニー・ティエリーさん(左) (2018年6月23日 イオンシネマみなとみらいで撮影) |
いるべき場所にいない家族を待つ人々の苦悩。夫の帰りを待つ女性もいれば、ガス室に送られてしまった娘を、それでも待ち続ける母もいる。ちょうど沖縄戦が行われていた頃、ヨーロッパがどのような状態だったか、この映画が教えてくれる。
どっちが勝ったか?
そんなことはどうでもいい。
どれだけの人が死んでいったか?
その数字は役に立つのか?大切な人を失った悲しみは、数字で表せるはずがない。
フランス映画祭が開催されるたびに思う。
今年もまた、海の向こうの国の映画が楽しめる4日間があるんだ。来年もそうでありますように、と。
戦争もテロもない時代がやってきますように。
<本ブログ内リンク>
フランス映画祭2017速報2
『夜明けの祈り』(Les
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鎮魂の思いを込めて…『皇帝と公爵』
(フランス映画祭2013上映作品)
<公式サイト>
フランス映画祭2018
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