主人公のデルフィーヌが回転木馬のすみのベンチに座り、スマホでこどもと話しているシーンが、なぜか印象に残っています。
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『告白小説、その結末』(原題:D'après une histoire vraie)
ライターズ・ブロック。
物を書くことを生業にする人にとって、これほど恐ろしい言葉があるだろうか。
書けない、筆が進まない。
目の前には真っ白な紙。
あるいは空虚なコンピューター画面。
目の前には真っ白な紙。
あるいは空虚なコンピューター画面。
人気小説家、デルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)もまた、その状態にいる。
次回作を期待される人気作家は、読者からの期待とアイデアが枯渇するスランプ状態のはざまで、苦しみに苦しみを重ねる。大ヒットとなったのは、母親との関係を綴った私小説。自分の成功のために家族を売ったのではと、デルフィーヌは自責の念をかくせない。そんな彼女を見透かすように、バッシングの手紙を郵送する読者もいれば、SNSで自分の名を名乗る複数のアカウント上で炎上が。そんな中、デルフィーヌは、「あなたのファン」と名乗る、頼もしい友人と出会う。彼女の名は”ELLE”、エル(エヴァ・グリーン)。職業は、ゴーストライター。
©2017 WY Productions, RP Productions, Mars Films, France 2 Cinéma, Monolith Films. All Rights Reserved. |
講演の依頼や友人からのメールの返信。ラジオのインタビュー……デルフィーヌの貴重な創作の時間は、日々の「業務」で奪われている。それらを友人となったエルが、デルフィーヌの代わりとなり、てきぱきとさばいていく。
デルフィーヌを操り、エルはいつしか人気作家の座を奪うつもりなのだろうか?いや、エル以上にしたたかなのは、むしろデルフィーヌではないのか?
監督は「女性同士の対立を描くのは、この映画は初めて」と語る、ロマン・ポランスキー。脚本に名を連ねるのは、「パーソナル・ショッパー」が記憶に新しいオリヴィエ・アサイヤス。
スタッフも貫禄十分だが、2人の女優の競演がもう、すごいのひとこと。
デルフィーヌの役をエヴァ・グリーンが、エルをエマニュエル・セニエが演じたらそれもまた面白そうだなと、想像をめぐらせるとわくわくしてくる。
©2017 WY Productions, RP Productions, Mars Films, France 2 Cinéma, Monolith Films. All Rights Reserved. |
<本ブログ内リンク>
オリヴィエ・アサイヤス監督作品
『パーソナル・ショッパー』
<公式サイト>
『告白小説、その結末』
6.23(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町・
YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
原作:デルフィーヌ・ド・ヴィガン「デルフィーヌの友情」(水声社)
監督:ロマン・ポランスキー
出演:エマニュエル・セニエ エヴァ・グリーン
脚本:オリヴィエ・アサイヤス ロマン・ポランスキー
原題:D'après une histoire vraie/英題:Based on a true story/2017年/フランス・ベルギー・ポーランド/フランス語/100分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語字幕:古田由紀子
配給:キノフィルムズ/木下グループ
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