『不都合な真実 2 : 放置された地球』
(原題:An Inconvenient Sequel: Truth to Power)
昨年(2017年)のアメリカ大統領選。
結果を聞いて、何とも言えない釈然としない気持ちが頭をよぎった。
そういえば、「あのとき」も、似たような感覚があったような気がする。
あのときとは、アル・ゴア氏とジョージ・W・ブッシュ氏が争った大統領選のとき。いろいろとあり、結果的にブッシュ氏が大統領に就任したけれど、何とも後味が悪かった。自分の国のことではないにしても、アメリカの動向は地球に生きるどの国の人たちにとっても他人事ではないだろう。
でも、こうも思う。アル・ゴア大統領が誕生しなかったからこそ、今のゴア氏があるのだと。ブッシュ政権があっても、そして今、トランプ政権があっても、ゴア氏はゴア氏としてなくてはならない活動をし、私たちに影響を与え続けている。大統領だけが世の中を動かすのではないことを、ゴア氏の存在が教えてくれる。
(C) 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved. |
“Hope is coming.” (希望はあるんだ)
映画『不都合な真実2』 の中でゴア氏が語る台詞が輝いている。
そして、彼の生き方が私たちに勇気を与えてくれる。映画を見終わると、背筋がしゃんと伸び、強くなれる自分がいることに気づく。
これは、「地球温暖化を食い止めよう」という呼びかけの映画ではあるけれど、根底にあるのはそれ以上のテーマだ。ゴア氏は、私たちがどこまで、他者に思いを馳せることができるかと問いかけ、間違っていることを間違っているという「勇気と良心」にはたらきかける。
日々の生活に追われていたら、電気自動車に買い換えるのも、太陽光発電の家に住むのもままならないだろう。でも、他人の声に耳を傾ける努力や、間違っていると思ったらはっきりと「間違っている」ということはできるのではないだろうか。私たち1人ひとりのそんな小さな心がけがあれば、きっと地球の未来に希望は訪れてくるのだと思う。
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「私たちが今のライフスタイルを続ければ、人類は絶滅する恐れがある。それも決して遠くない未来に」
2012年、21人の科学者たちが『ネイチャー』に発表したこの警告によって、製作されたドキュメンタリー映画。
『TOMORROW パーマネントライフを探して』(原題:Demain)
http://futsugou2.jp/
監督:ボニー・コーエン ジョン・シェンク
11月17日(金)TOHOシネマズ
みゆき座ほか全国公開
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