フランス映画祭2021を終えて(Festival du film français au Japon 2021)
1993年からはじまったフランス映画祭は、2006年から開催地は東京へ移ったが、2018年に再び横浜へと帰ってきた。
それから3年……コロナ禍のため海外からのゲストの来日は叶わず、映画祭は静かに行われた。
それでも、映画上映が終了すると、監督たちの挨拶とQ&Aが映像で紹介され、日本の観客への熱いメッセージを聞くことができた。また、ドキュメンタリー『東洋の魔女』(原題:Les Sorcieres de l'Orient)の上映後には、かつてオリンピックで金メダルに輝いたかつての魔女たちが登壇、会場にはなつかしさと穏やかな熱気が溢れた。
果敢に以前に比べると観客数も減ったように感じられるけれど、こうして文化の灯火が絶やされることのない日常が嬉しい。
映画祭の最終日。ドキュメンタリー『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』(原題:SALVATOR MUNDI, LA STUPÉFIANTE AFFAIRE DU DERNIER VINCI)では、1枚の絵画に翻弄される社会が軽快なテンポで語られる。そして、クロージング作品『ウイストルアム-二つの世界の狭間で』(原題:OUISTREHAM)……停泊中のフェリーで働く清掃員たちを描いたこの映画は、港町の停泊中の船の鼓動と岸壁に留まる海の匂いを届けてくれる。会場を出ると、すぐそばで横浜港の夜景が広がる。映画の素晴らしさは、鑑賞後の余韻にこそあるのかもしれない。
『モンパルナスの灯が大好きです』と語った
フェスティバル・ミューズの杏さん。
アヌーク・エーメとの共演の夢がいつか叶いますように。
© Mika Tanaka
<本ブログ内関連リンク>
フランス映画祭の思い出 その1 『愛しのベイビー』(Mon Bébé)
https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2020/12/1-mon-bebe.html
<公式サイト>
フランス映画祭2021(11月11日〜11月14日)
https://www.unifrance.jp/festival/2021/
『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』
2021年11月26日より劇場公開予定
https://gaga.ne.jp/last-davinci/
『東洋の魔女』
2021年12月11日より劇場公開予定