2021年5月17日月曜日

『海辺の家族たち』(原題:La villa)

   海の向こうから、日本に救いを求めてやってくる人たちがいます。 

しかし、日本政府は彼らを「人」として扱って来たでしょうか。

異国の地でDVに苦しんだ上、非情な扱いを受けて亡くなったウィシュマ・サンダマリさん……彼女だけではありません。カタカナで表記された多くの外国人の名前が報道されるたび、日本政府の人権侵害に憤る私です。

コロナ禍にあっても、入管法改正反対を訴えるデモがマスクで顔を覆った人たちで繰り広げられました。その中に加わることはできなかったけれど、この記事を書くことで入管法改正反対への意思表示をします。

 

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『海辺の家族たち』(原題:La villa

監督・製作・脚本:ロベール・ゲディギャン

 


©
AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016



フランス南部の小さな漁村。父親が倒れたことを機に、3人の兄妹が再会する。かつて失われた幼い命、死へ向かおうとしているのに毅然とたたずむ命、危険から逃れ、生き延びた命……さまざまな命が交差していく。

映画の後半、突然現れる難民のこどもたちの存在が、水面でキラキラ漂う光のよう。寂れた村の風景がぱっと明るくなる。印象派の画家はこの変化をどんな色彩で表現するのだろうか。

果たして難民とは、「気の毒」で「助けてあげなければならない」存在なのだろうか。そんな考えが単なるおごりであることを知る。翼のない天使のような3人の子供たち。彼らが私たちに与えてくれるものの大きさを知る。(Mika Tanaka

 

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「日本に来てよかった」と思ってもらえる国でありますよう。そんな国にできますよう。


 

配給:キノシネマ 

提供     木下グループ


 

<公式サイト>

「海辺の家族たち」

https://movie.kinocinema.jp/works/lavilla/

 

 5月14日(金)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷公開