2016年3月25日金曜日

”Journée de la francophonie à Tokyo” (フランコフォニーのお祭り2016)

”Journée de la francophonie à Tokyo” 
(フランコフォニーのお祭り2016


春の光が降り注ぐ頃、アンスティチュ・フランセ(旧日仏学院)の中庭には、ピンク色の花が可憐に咲く。
毎年、この時期に行われるイベントが、フランス語を公用語とする国々が集まって行われる、”Journée de la francophonie à Tokyo” (フランコフォニーのお祭り)だ。

地球上で、フランス語で生活する人の数は2億を超える。フランスの人口は、約6,632万人(201511日、仏国立統計経済研究所)。フランス語を話す=フランコフォン(francophone)の人口は、フランス国内よりも、フランス国外の方が多い。

 多くの人に、フランス語の魅力にふれてもらおうと、無料のフランス語体験講座や、講演会、映画上映、子どものための遊びうたと絵本の会 「フランス語であそぼう!」などが行われる。

中庭にはエキゾチックな屋台の料理がならび、さまざまなジャンルの音楽が演奏される。
15:00頃出演予定のウェブスター(Webster)” は、カナダ・ケベック出身。ヒップホップのリズムにのせて流れるフランス語は、躍動感にあふれていて、小難しい日常の問題をすっと忘れさせてくれる。


カナダ・ケベック州出身のWebster


その一方で、彼の歌詞は切ない。

ウェブスターの父はセネガル出身、母はケベック出身。彼は自分を「セネケブ」と呼ぶ。ラッパーであると同時に、歴史家でもあるウェブスターがつくった歌の1つに、カナダの黒人の歴史を歌った曲がある。明日、その曲が小さな中庭で流れるかもしれない。少しでも多くの人の耳にその曲が届きますよう……



昨年の「フランコフォニーのお祭り」で来日した、
カナダ・ケベック州のジャズバンド、オーギュスト・トリオ(August Trio



<公式サイト>

 フランコフォニーのお祭り2016
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/francophonie-2016/
 

2016年3月16日水曜日

上馬ガソリンアレイという時代 その5

上馬ガソリンアレイという時代 その5

 進さん(しんさん)。
 このライブハウスのマスター・進士晃一さんのことを、出演者たちはそう呼んでいた。

 その進さんがこの世を去ってから、今日で4年が経った。

「親心だったんだよな……」
 出演者のひとりはこう振り返る。
 ひとくせもふたくせもある性格で、出演者を怒ることもしばしば。でも、それは出演者たちを育てようとする親心。愛するわが子に怒ったことがない親が果たしているだろうか。進さんは、出演者たちとそれだけ本気で向き合っていた。
 性格が合わず、店から離れる出演者もいる一方で、心底気に入ると、進さんは彼らをとことん助けた。
「これ食ってけよ」。生活費もままならないミュージシャンの卵に、進さんは手作りのカレーをふるまう。上馬ガソリンアレイは、音楽を聞かせる「ライブハウス」だけれど、マスター特製の「ガソリンカレー」もまた、絶品だった。

 ほろ酔いでいい気分になると、よくロッド・スチュアート(Rod Stewart) ”Sailing”を歌っていた進さん。頑固おやじの「航海」は、これで終わったんだろうか。それとも、航海は天国の海でも続くんだろうか。


上馬ガソリンアレイの名物、ガソリンカレー


  現在、上馬ガソリンアレイ卒業生(出演者の方々)の情報を、ツイッター・Facebookなどで収集しています。この記事をお読みの方で、上馬ガソリンアレイのマスター・進士晃一さんをご存知の方、ぜひお話をお聞かせください。

Twitter : https://www.twitter.com/mikalumiere
Facebook : https://www.facebook.com/mika.lumiere



<本ブログ内リンク>

上馬ガソリンアレイという時代 その1
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/blog-post_6.html

上馬ガソリンアレイという時代 その2
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/blog-post_16.html

上馬ガソリンアレイという時代 その3(杉山清貴さん)

http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/07/3-7-17-56-32-freelance-writer-mika.html


(河島英五さんもまた、ガソリンアレイの卒業生でした)

映画『ありがとう』(2006/日本)そして『生きてりゃいいさ』(河島英五)

http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2016/01/blog-post.html