2022年6月12日日曜日

『ストーリー・オブ・フィルム 111 の映画旅行』 (原題:The Story of Film : A New Generation)

『ストーリー・オブ・フィルム 111 の映画旅行』 

(原題:The Story of Film : A New Generation)

2010年から2021年の11年間に制作された111作品を通し、映画がどのように変わりどのように進化したか、北アイルランド出身のマイク・カズンズ監督自らが語るドキュメンタリー。


新型コロナウイルスによるパンデミックの中、カズンズ監督はこんな思いを支えにこの作品の制作に取り組んでいた。

 

「ぼくはいま自分の部屋にいて、ここから出たくてしょうがない。ぼくの力の源、進むべき方向を教えてくれる星座のひとつは映画だ」

 

 そして、この言葉にたどり着く。

 

「ぼくが感じているこの孤独は、映画によって癒される。映画が、ぼくはもう孤独じゃないと気づかせてくれた」




© Story of Film Ltd 2020

 

アメリカ、フィンランド、タイ、インド、ウガンダ、フランス、香港、アルゼンチン……映画を通して私たちは世界旅行を、時間旅行を体験する。そして、「心の旅」も。

 抑圧からの解放、色彩が誘発する興奮、目線を共有する緊迫感……「楽しい」「悲しい」「恐ろしい」といったシンプル言葉では表現し尽くせない心の奥底をめぐる旅。それは穏やかで平和なものとは程遠い。観終わった後もその余韻は続く。

 

「映画」とは何か?

映画は私たちに何をもたらすのか?

 

 この問いが私の頭の中をぐるぐるとまわっている。

 答えは出ているのかもしれないが、まだ自分の言葉で表現することができないでいる。

 

 でも、これだけははっきりしている。

「映画」は、私たちを不幸にするために生まれたのではない。私たちを幸せにするために存在するのだということだ。ほんのひとときを満たしてくれる小さな幸せかもしれないし、人生を変える大きな幸せかもしれない。大小の差はあれど、映画は私たちの人生を豊かにしてくれる存在である事実をかみしめている。

 

 1日でも早く、争いのない世界が訪れますように。 

 

 

<本ブログ内リンク>

 

『ストーリー・オブ・フィルム 111 の映画旅行』 でも紹介されている映画。

 

『裁かるゝジャンヌ』(原題:La Passion de Jeanne d’Arc 

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2022/03/la-passion-de-jeanne-darc.html

 

『エヴォリューション』(Evolution)

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2016/11/evolution.html

 

COLD WAR あの歌、2つの心』(原題:Zimna wojna)

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2019/08/cold-war-2zimna-wojna.html

 

アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2019/12/agn-e-s-varda-1-3-c-1994-agnes-varda-et.html

 

「映画」について考えを巡らせるとき、リュミエール兄弟の存在が真っ先に浮かびます。

 

『リュミエール!』(Lumière ! )  その1

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com/2017/11/lumiere.html