2024年3月13日水曜日

『ユー・ウィル・リメンバー・ミー』(原題:Tu te souviendras de moi)

 2024320日は、「国際フランコフォニーの日」。

カナダ大使館で、ケベック発の映画が上映されます。

 

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『ユー・ウィル・リメンバー・ミー』(原題:Tu te souviendras de moi

製作:クリスチャン・ラルーシュ
監督・脚本:エリック・テシエ
原作:フランソワ・アルシャンボー


                                                           MarleneGelineauPayette

 

 彼女のしたことは、罪だろうか。

 もしそれが罪であったら、どのようにして償えばよいのだろうか−−

 

 認知症によって記憶を失いつつある歴史学者エドゥアール(レミ・ジラール)。言葉によって歴史を語る彼にとって、それは認め難い事実だ。そんな彼と関わることになったベレニス(カレル・トランブレ)はまだ道を定めきれない若者。自分探しのゆるやかな旅の只中にいる。あることがきっかけで、自殺した娘の記憶をたどり始めるエドゥアールを助けようと、ベレニスはあるアイデアを思いつく……

老いと若さ。それは一見相反するもののように見える。しかし、どちらも等しく「不安」な存在だ。自分が積み上げてきた知識や経験がどこか遠くに流れ去っていくのを止められない不安と、押し寄せる情報の波に溺れながら生きていく不安。それぞれが持つ不安に共鳴しながら、気づくとお互いがお互いに寄り添っている。

 

ケベックの四季折々の景色が美しい。そしてそれが時系列ではない順番であることが、切ない。

 

 

 

                                                     @MarleneGelineauPayette



<上映会の概要>

 

国際フランコフォニーデー
『ユー・ウィル・リメンバー・ミー』特別上映会 

日時:320日(水・祝) 15:00-17:00(開場は14:30)
場所:カナダ大使館 オスカー・ピーターソン シアター

共催:ケベック州政府在日事務所

上映時間: 108 
言語:フランス語(日本語字幕付)

入場無料

 

申し込みは、下記の登録フォームから

 https://bit.ly/Francophonie24

 

問い合わせカナダ大使館広報部

メール:TOKYO.CC@international.gc.ca

 

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シアター横のギャラリーで『やまびこ:野辺地ジョージ写真展』が開催されています。

上映の前後にぜひ。


『やまびこ:野辺地ジョージ写真展

https://filmsandmusiconmymind.blogspot.com

 

 




 

2024年3月11日月曜日

写真家:野辺地ジョージさん(Encounter with George Nobechi)  その2

 東日本大震災から、13年の月日が流れました。

今日は、2024311日……

 

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 写真家:野辺地ジョージさん(Encounter with George Nobechi)  その2

 

 ジョージさんが初めて能登を訪れたのは、2015年。その神秘的なたたずまいと陽気な人々に魅せられた。そして、202312月中旬に訪れたその後に、能登半島地震が起こった。

 

 自分に何ができるのか。

 多くの人が思ったように、ジョージさんもまた、その問いを自分に投げかける。

 

そして、"Art for Noto “というプログラムをウェブサイト上で立ち上げた。

まず、英語で呼びかける。

能登で撮影した写真を買ってもらい、その収益は、送料を除きすべて能登被災地支援金として送ることにした。英語が理解できれば、世界中、ネットがつながるどこからでも参加が可だ。

そして、日本語で呼びかける。

日本在住の人の場合は、日本赤十字社石川県支部、または石川県共同募金会の2つの団体のいずれかに14,000円以上の寄付を行なって寄付金の受領書を送付すると、ジョージさんから能登の写真を送られる。 


 

”Art for Noto”は、202412月まで実施予定。

能登の写真が手元にあれば、能登の人たちに心を寄せるきっかけができる。

「忘れないでいること」を大切にしたい。

 


 

詳しくは、下記のサイトへ。

“ART FOR NOTO” 

https://www.nobechicreative.com/art-for-noto



野辺地ジョージさん(2024年1月19日カナダ大使館にて)


 

 

 

2024年3月10日日曜日

写真家:野辺地ジョージさん(Encounter with George Nobechi)  その1

 写真家:野辺地ジョージさん(Encounter with George Nobechi)  その1


写真提供:野辺地ジョージ

 

 フクロウの赤ちゃん。


 飛び跳ねる少年たち。

 駅のホームに降る雪。

 

 懐かしくて、微笑ましい。都心にいながら、何かほっとした気分に包まれるのは、いったいなぜだろう……

 青山一丁目から徒歩約5分ほど。赤坂郵便局を右に少し先を歩くと、その通り沿いにカナダ大使館はたたずむ。

1階で身分証を提示し、セキュリティチェックを行った後、長いエスカレーターを上る。上り切ったところが4階(ロビー階)。視界の先に東京タワーが見える。右側のガラス張りの入口に入り、エレベーターで地下2階まで下る。そこには、静謐な空間が広がり、私たちを歓迎してくれるのを感じ取れる。

 

カナダ大使館にある高円宮記念ギャラリーで2024119日から開催されている『やまびこ:野辺地ジョージ写真展』を訪れた。

 

野辺地ジョージさんは、東京生まれ。父はカナダ人、母は日本人。成人してから金融業界に進み、東京とニューヨークで活躍したが、写真家として新たなスタートを切る。カナダや日本を旅しておさめた数々の写真は、2つの国のそれぞれの魅力を気づかせてくれながら、どの国にも必ずある普遍的な何かを教えてくれる。

 

ジョージさんを幼い頃から知る人は、彼をこのように表現する。

「日本語にはハーフという言葉があります。でも、ジョージには、ハーフではなくダブルという言葉を使いたい」

 

 2つの国をルーツに持つということは、2つの誇りを持つということなのかもしれない。父の愛と母の愛をしっかりと受け止めたであろう彼の魂が選ぶ被写体は、だからこそこんなにも愛おしいのだと感じる。


写真提供:野辺地ジョージ




<展覧会概要>

 

『やまびこ:野辺地ジョージ写真展

 

日時:2024119日 (金)~ 5 10 日 (金) 

10:0017:30(最終入場 17:00
休館日:土曜日、日曜日、212日 (月) 、329日 (金) 

41日 (月) 、53日 (金) 、56日(月)

 

場所:カナダ大使館高円宮記念ギャラリー 

(東京都港区赤坂7-3-38 地下鉄「青山一丁目」駅より徒歩5分)
入場: 無料 

 

政府発行の写真付身分証明書(運転免許証、パスポート等)を持参のこと。

 

 

カナダ大使館高円宮記念ギャラリーの公式サイト

https://www.international.gc.ca/country-pays/japan-japon/galerie-prince_takamado-gallery.aspx?lang=jpn

2024年3月8日金曜日

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』 (原題:Maybe I Do / 2023年)

 今日、38日(金)は国際女性デー。

餓死すること、戦死することがなくても、苦しい思いをして生きている人たちが数多く存在します。その中には「女性であること」で困難を強いられている人たちも。

「映画」そのものが世の中を変えるわけではありません。

でも、映画が与えてくれる力が、私たちの心に何かを灯してくれるのは確かです。今日から公開されるこの映画もそのひとつです。

 

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『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

(原題:Maybe I Do / 2023年)



                                                                                  © 2023. FIFTH SEASON, LLC. All Rights Reserved.

 


ダイアン・キートン。

まっすぐに伸ばした飾り気のない髪は白くなり、顔にはシワも刻まれているけれど、印象は若い頃のまま。過ぎゆく年月をさりげなく受け入れながら、知的な彼女はさらに知恵を深め、素敵な女性になっていた。自然体で生きることはこんなにも素敵なのだと実感。

 

スーザン・サランドン。

この人は本当に年を取っているのだろうか?と思うことがある。アンチ・エイジングという言葉はこの人のためにあるのかもしれない。「老い」という言葉を一瞬にして吹き飛ばすエネルギーに満ち満ちている。

 

2人は共に1946年生まれ。対称的な個性を放つ2人が並ぶと、それだけで映像に深みがぐんと増す。

 

彼女たちが生きてきた時代を想像する……21世紀の今であっても生きづらさを抱える女性がこんなにも多い。そんな今よりもさらに女性たちが生きづらかった時代に女優として生きることに、どんな苦難があっただろうか、と。

 この映画を見ていると、2人が出演した過去の映画が次々と思い出される。彼女たちにとって年を重ねることは、女優としてキャリアを重ねること。人生の深みが増すこと……女優に限らず、すべての女性に当てはまることだ。

 

彼女たちを見ていると。堂々と年を重ねて生きていこうと思えてくる。

 

 

 

                                                 © 2023. FIFTH SEASON, LLC. All Rights Reserved.


 

<公式サイト>

『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』

https://aboutlife-movie.jp

 

監督・脚本:マイケル・ジェイコブス 

製作:ジョナサン・モンテパレ 音楽:レスリー・バーバー 撮影:ティム・サーステッド 編集:エリカ・フリード

出演:ダイアン・キートン、リチャード・ギア、スーザン・サランドン、エマ・ロバーツ、ルーク・ブレイシー、ウィリアム・H・メイシー

2023/英語/95/原題:Maybe I Do/字幕翻訳:長夏実/配給:AMGエンタテインメント

 

配給: AMGエンタテインメント

3月8日()より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開