心に映画と音楽を　: 2月 2024

2024年2月25日（日）から1週間、映画『ひなぎく』が、目黒シネマで上映されます。

2024年2月25(日)～2月28日(水)　12:10〜、17:40〜

2024年2月29(木)～3月2日(土)　10:00〜、15:35〜

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『ひなぎく』（原題：Sedmikrasky/チェコ・スロヴァキア/1966年/75分）

その7

　私がこの映画を知ったのは、2014年のこと。

　ヴェラ・ヒティロヴァー監督を知り、「チェコヌーヴェルバーグ」を知った。ソ連（ソビエト社会主義共和国連邦）がまだ存在していた時代、そのすぐ近くの国でこんなに自由な映画がつくられていたことを知った。

　そして今は2024年。Me too運動が高まり、ジェンダー平等がうたわれている時代のなかにあっても、映画の中で奔放にふるまう2人の女性の輝きがまぶしい。

　ウクライナで、ガザで、世界のさまざまな場所で、多くの人の命が奪われている。なぜ、人は同じ過ちを繰り返すのだろう。なぜ、歴史から学ぼうとしないのだろう。この映画は決して、その疑問に答えてくれない。それでも、何が馬鹿げていることなのかを教えてくれる。

　映画を見るだけでもいい。でも、もっと何かを知りたいと思ったら、チェコの歴史を少しだけ紐解いてほしいと思う。なぜ、チェコの人たちが「笑う野獣」と呼ばれたのか、チェコの人たちの心の底にどんなパワーが秘められているのか……1人ひとりが他の国を理解しようとするとき、平和と足音がきっと聞こえてくるのだと思う。