『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』
(原題:Godard seul le cinema 2022年フランス)
監督:シリル・ルティ
「カメラ万年筆ではない、まるでカメラ絵筆のよう」
彼の映像を、こう語る人がいる。
『勝手に逃げろ/人生』<原題:Sauve qui peut (la vie)>の1シーンがさっと流れる瞬間、「映画」という手法の果てしない可能性にはっと気付かされる。可能性、それは希望。ジャン=リュック・ゴダールという人は、希望を追い続けた人だったのだと知る。
政治活動に熱心な人、反逆の人というイメージを持たれがちだが、「子供のような笑顔が素敵だった」、「彼の笑顔が大好きだった」と語られるように、心の奥に純真無垢で繊細なものを秘めていた人だったのだろう。そんな人だから、カメラの向こうにうつる子供たちの表情も愛おしい。
映画の冒頭で流れる彼の言葉が忘れられない。
ET MÊME SI RIEN NE DEVAIT ÊTRE COMME NOUS L’AVIONS ESPÉRÉ,
CELA NE CHANGERAIT RIEN À NOS ESPÉRANCES
「たとえ希望が叶わなくても、我々は希望を持ち続ける」(字幕:齋藤敦子)
出演:マーシャ・メリル、ティエリー・ジュス、アラン・ベルガラ、マリナ・ヴラディ、ロマン・グーピル、ダヴィッド・ファルー、ジュリー・デルピー、
ダニエル・コーン=ベンディット、ジェラール・マルタン、ナタリー・バイ、
ハンナ・シグラ、ドミニク・パイーニ
<公式サイト>
『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』
http://mimosafilms.com/godard/
配給:ミモザフィルムズ
©10.7 productions/ARTEFrance/INA – 2022