2016年11月16日水曜日

『天国からのエール』


横浜の中学生が、『ぼくはいきる』手記を発表しました。
小学校2年生のとき、福島から横浜に転校し、いじめを受けたときの体験がつづられています。震災、原発事故だけでも、どれだけ心の痛手が大きかったか。それに加えて起きた「いじめ」を、身近にいる大人がなぜ防げなかったのか、そのことがくやしくてなりません。

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『天国からのエール』(2011/日本)

「しょせんはひとさまの子だよ」
 そんな言葉に耳をかさず、他人のこどもたちに手をさしのべ、応援する主人公・大城陽(阿部寛)。
「昔は、お金なんか払わなくても、いろんな人がいろんなことを教えてくれた。そうい場所もいっぱいあった。いろんな人が助けてくれた。今の若い連中にはそれがないわけよ。ほっときたくないんだよ」
 何かしないと、自分の娘をそういう世の中に放り出してしまうのではないかと、彼は自分の手で音楽スタジオをつくり始める。使うのは無料、でも人として礼儀をわきまえること、それが陽が高校生たちに提示した条件だった。きちんと挨拶とお礼を言うこと、もめ事は話し合って解決すること、仲間とともに考える事、そして決して夢をあきらめないこと……こどもたちは、陽の後ろ姿から多くを学んでいく。
 この映画は実話に基づいている。沖縄で弁当屋「あじさい弁当」を営む仲宗根陽(なかそねひかる)さんと、彼が設立したスタジオ「あじさい音楽村」がモデルだ。仲宗根さんは腎臓がんを宣告され、200911月に他界。享年42歳だった。
 

 ニュースが報道されるたびに、驚き、おびえ、怒る…… そこから、もう一歩踏み出そうとする大人が、仲宗根さんのような人が少しずつ増えていけば、必ず救いはあると信じていたい。そして、仲宗根さんは決して特別な人ではないと思いたい。誰だって、彼のようになれる勇気を心の奥底に秘めていると。

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