2017年10月8日日曜日

『愛を綴る女』(Mal de pierres)

カタルーニャ独立をめぐる住民投票が行われてから、1週間ほどが経ちました。
107日から上映が始まったこの映画では、カタルーニャ出身の男性が大きな役割を果たしています。

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『愛を綴る女』(原題:Mal de pierres)



© (2016) Les Productions du Trésor - Studiocanal - France 3 
Cinéma - Lunanime - Pauline's Angel - My Unity Production

  心に情熱を秘め、愛し愛されることを求める1人の女性。そんな魅力溢れた女性が、この映画の中では、親に認めてもらえず、周囲に馴染めず、孤立している。1950年代の南仏・プロヴァンス地方の田舎町・バルジュモンで暮らすガブリエル(マリオン・コティヤール)は、近所の人たちから「変わり者」と見られ、親から「病気でヒステリック」と責められていた。小説『嵐が丘』にどっぷり浸かり、「愛を与えて、ダメなら死なせて」と、神の前で祈る日々を送るガブリエル。彼女が両親に押し込まれた箱から解放されるチャンスは、皮肉なことに両親が決めた「結婚」によって訪れる。夫となったのは、彼女の家で雇われ、ラヴェンダー摘みに従事するジョゼ(アレックス・ブレンデミュール)だ。スペイン・カタルーニャ出身のジョゼは、フランコ独裁政権下でレジスタンスに身を投じた過去を持ち、戦争で傷ついた心はまだ癒えていなかった。結婚によってガブリエルは「自由」を、ジョゼは「安定」を手に入れる。ガブリエルは、結婚してからも理想の愛を探し求めることをやめず、1人のインドシナ戦争の帰還兵と恋に落ちるが・・・・・・「実際の世の中にも、自由を奪われたり、なりたい自分になることを許されない人たちがいる」と語る、マリオン・コティヤール。彼女はそんな人たちにかけられた呪縛を、一途な演技で解き放った。ガブリエルの激しさとは対極にある、ジョゼの静かで誠実な存在感も忘れがたい。ガブリエルに否定的な感情を抱く彼女の母親にさりげなく釘をさし、妻となったガブリエルをかばうシーンが印象的だ。はっとする意外な結末は、空よりも広く海よりも深い愛が、実は自分のすぐ近くにあることを教えてくれる。青い鳥のように。

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結婚式で、花嫁がラヴェンダーのブーケを持っているシーンがなぜか強く心に残りました。

© (2016) Les Productions du Trésor - Studiocanal - France 3
Cinéma - Lunanime - Pauline's Angel - My Unity Production

<公式サイト>
『愛を綴る女』


10月7日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国一斉ロードショー


原作: ミレーナ・アグス
監督: ニコール・ガルシア
脚本: ジャック・フィエスキ  ニコール・ガルシア
出演: マリオン・コティヤール  ルイ・ガレル  アレックス・ブレンデミュール  ほか

2016/原題: Mal de pierres/フランス・ベルギー・カナダ/ 120/R15+

配給:  アルバトロス・フィルム


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