2018年3月2日金曜日

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(MAUDIE)

 春がやってきました。
 33日の桃の節句。38日、国際女性デー。314日、ホワイトデー。
 女性のためにあるような1ヶ月。明日から上映が始まるこの映画は、監督、脚本、ともに女性。劇中でモードの人生を切り開いたもう1人のキーパーソン、サンドラ(カリ・マチェット)もまた、女性です。女性が稼ぎ、夫が支えるという暮らしを嫌みなく描くことができたのは、女性スタッフの視点があったからかもしれません。
 
****************************************************

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(原題:MAUDIE


(c)2016 Small Shack Productions Inc. / Painted House Films Inc. /
Parallel Films (Maudie) Ltd.



  20世紀前半のカナダ。小さな港町にこんな夫婦が暮らしていたなんて!

「家政婦募集、掃除用具を持参のこと」

 手書きの小さな募集広告を手に、魚売りのエべレット(イーサン・ホーク)の家の戸を叩いたのは、小柄で手足の動きがぎこちない、風変わりな女性だ。
 関節リウマチを患っていたモード(サリー・ホーキンス)は、不慣れながらも料理と掃除にいそしみ、不器用でかたくななエベレットの心をほぐしていく。体は不自由だが、自由で優しい心を持つモードと、孤児院育ちで素直に自己表現することに慣れていないエベレット。「だまって主人に従え」と命令し、頬を叩いていたのもエベレットだが、モードの描く絵を愛し、彼女の情熱をさりげなく支えたのもまた、エベレットだった。
 モードとエベレット。質素ながら豊かな2人の生活を見ていると、「結婚」の意味がとてもシンプルに伝わってくる。忘れちゃいけないな、と思った。家族の最小単位は「親子」ではなく「夫婦」なんだっていうことを。

Cape-Islander
“Cape Islander Cove” by Maud Lewis. Courtesy of 
the Art Gallery of Nova Scotia, all rights reserved. 



<本ブログ内リンク>

イーサン・ホークの魅力が溢れる映画の数々……

『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』 ( BEFORE SUNRISE

『ビフォア・サンセット』

『ビフォア・ミッドナイト』(BEFORE MIDNIGHT)その1

『ビフォア・ミッドナイト』(BEFORE MIDNIGHT)その2


6才のボクが、大人になるまで。』(BOYHOOD)

6才のボクが、大人になるまで。』(BOYHOOD)その2


<公式サイト>

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』


公開表記】 33日(土)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、東劇ほか全国ロードショー

監督:アシュリング・ウォルシュ
脚本 シェリー・ホワイト
出演:サリー・ホーキンス、イーサン・ホーク
2016年/カナダ・アイルランド/英語/116分/DCP/カラー

配給:松竹

0 件のコメント:

コメントを投稿