2018年4月4日水曜日

『危険な関係』 4Kデジタル・リマスター版( Les Liaisons Dangereuses 1960 )

首都圏では、満開の桜が少しずつ葉桜に・・・・・・ 例年になく早い開花でした。
この映画で、外交官を演じる主人公が、手帳を見ながら「4月に東京……サクラの季節だな」と言っているのが印象的でした。アル・ゴア氏の映画『不都合な真実』が胸をよぎります。

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『危険な関係』  4Kデジタル・リマスター版
( Les Liaisons Dangereuses 1960 )

© 1960 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS

 何てスタイリッシュ!ジャズとモノクロの映像、シャネルの服と個性際立つ俳優陣。背徳的な題材がこんなにも品よく展開していくのは、映画の魔法ゆえだろうか。原作の舞台は18世紀のフランスの貴族社会。本作が発表されてからも、多くの映画人に愛され、さまざまな国で映画化されてきた。それだけ人を魅惑するテーマなのだろう。


© 1960 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS

 といっても、この題材を扱うにあたっては、監督の品性や力量が試される。この映画を見ていると、ロジェ・ヴァディム監督がどれだけ映画の神様に愛されていたか、よくわかる。残酷なストーリー展開なのに、ジェラール・フィリップの茶目っ気とジャンヌ・モローの奔放さが華麗に交わしていく。観客に媚びないモンクやアート・ブレイキー達のジャズの音も素敵。ジェラール・フィリップの遺作として見るのも、昨年(2017年)他界したジャンヌ・モローへの追悼の思いで見るのもおすすめだけれど、今上映中の『ハッピーエンド』(Happy End) に出演しているジャン=ルイ・トランティニャンの若かりし頃の姿に出会えるのも、フランス映画ファンにとって貴重な体験ではないかと思う。

© 1960 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS



<本ブログ内リンク>
『天使の入江』(La baie des anges) ジャンヌ・モロー主演

<公式サイト>
『危険な関係』  4Kデジタル・リマスター版

原作:コデルロス・ド・ラクロ
監督:ロジェ・ヴァディム
音楽:セロニアス・モンク アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
出演: ジェラール・フィリップ ジャンヌ・モロー アネット・ヴァディム ジャン=ルイ・トランティニャン
1959年→2018年/フランス/ 102分/R15+
配給:セテラ・インターナショナル


324日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAにて公開

YEBISU GARDEN CINEMA オープン3周年記念  セテラ・インターナショナル創立30周年記念



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