2018年9月19日水曜日

『ボヴァリー夫人とパン屋さん』(GEMMA BOVERY)

「フランスパンの神様」といわれる、フィリップ・ビゴさん他界の知らせが入りました。
ビゴさんへの感謝の思いを込めて、2015年7月に掲載した記事を改稿、再掲載します。

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 『ボヴァリー夫人とパン屋さん』(原題:GEMMA BOVERY)
監督:アンヌ・フォンティーヌ

フランスと聞いて、まっさきにどんな風景を思い浮かべるだろう?
エッフェル塔にセーヌ川、カフェでおしゃべりを楽しむ人たち……そんな都会的なフランス? それとも、この映画のような牧歌的な風景?

 フランスという国は、パリのような都会から農村や漁村に至るまで、官能的な空気が漂っているような気がする。
フランス・ノルマンディー地方を舞台にしたこの映画も、ものすごく官能的。主人公のジェマ・ボヴァリー(ジェマ・アータートン)の飾り気のない仕草、牧歌的な風景……その極みは、パン屋のマルタン・ジュベール(ファブリス・ルキーニ)がパンをこねる作法。これほどまでに官能的なシーンがあるんだろうか! パンをおいしそうにほおばるジェマの表情にもうっとり。

 官能とは生を謳歌すること。おいしいものを「おいしい!」と思って食べることもきっと、官能的なことなんだろう、と思う。
 



© 2014 – Albertine Productions – Ciné-@ - Gaumont – 
Cinéfrance 1888– France 2 Cinéma – British Film Institute




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アンヌ・フォンティーヌ監督作品
『夜明けの祈り』が始まる







 アンヌ・フォンティーヌ(Anne Fontaine)監督
2015627日 有楽町朝日ホールにて撮影









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