佐野元春さん、ありがとう(Rebonjour, M. Motoharu Sano)
ジェフ・ベックがこの世を去ってから、1年が経った。
心に小さな穴が空いた。痛くてたまらないというわけではないけれど、穴が空いていても生活はできるけれど、何かが変わった。
友達ではないし、家族ではない。恩師でもなければ先輩でもない。
でも、大切な人だったと気づいた。ジェフ・ベックが生きていてくれたことが、こんなにも自分にとって大きなことだったのかと、今あらためて思う。
2023年は、多くの訃報を耳にする年だった。
ひとつの時代が終わった、本当に終わったのだと自覚する年だった。
そして、元日の団欒を地震が襲うという悲しいニュースで始まった2024年……
ある人の歌声がTVから流れてきた。
なんだかとても懐かしい声だ。
ああ、そうだ。1985年のIYY(国際青年年)のテーマソングも、この人が歌ったんだっけ。
佐野元春さん……髪はすっかり白くなったけれど、仙人のような、少年のようなたたずまいは昔のまま。まっすぐで、誠実で、言葉に嘘がない。
♪誰もがみんな 誰かのことを想ってる♪
『冬の雑踏』の一節が聞こえてくる。
うん、きっとそうなんだよとうなずく自分がいる。
♪誰かがきっと 誰かのために祈ってる♪
この人はまだ生きている。歌い続けている。そのことに救われている自分がいる。
どうか、これからもずっとお元気で。佐野元春さん、ありがとう。
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