2024年1月11日木曜日

佐野元春さん、ありがとう(Rebonjour, M. Motoharu Sano)

 佐野元春さん、ありがとう(Rebonjour, M. Motoharu Sano

  

ジェフ・ベックがこの世を去ってから、1年が経った。

心に小さな穴が空いた。痛くてたまらないというわけではないけれど、穴が空いていても生活はできるけれど、何かが変わった。

友達ではないし、家族ではない。恩師でもなければ先輩でもない。

でも、大切な人だったと気づいた。ジェフ・ベックが生きていてくれたことが、こんなにも自分にとって大きなことだったのかと、今あらためて思う。

2023年は、多くの訃報を耳にする年だった。

ひとつの時代が終わった、本当に終わったのだと自覚する年だった。

 

そして、元日の団欒を地震が襲うという悲しいニュースで始まった2024年……

 

ある人の歌声がTVから流れてきた。

なんだかとても懐かしい声だ。

ああ、そうだ。1985年のIYY(国際青年年)のテーマソングも、この人が歌ったんだっけ。

佐野元春さん……髪はすっかり白くなったけれど、仙人のような、少年のようなたたずまいは昔のまま。まっすぐで、誠実で、言葉に嘘がない。

 

♪誰もがみんな 誰かのことを想ってる♪

 

『冬の雑踏』の一節が聞こえてくる。

うん、きっとそうなんだよとうなずく自分がいる。

 

♪誰かがきっと 誰かのために祈ってる♪

 

この人はまだ生きている。歌い続けている。そのことに救われている自分がいる。

 

どうか、これからもずっとお元気で。佐野元春さん、ありがとう。

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