2015年6月24日水曜日

わたしはロランス(フランス映画祭2013上映作品)


  今日、624日は、カナダのケベック州の祝日。
(Quebec National Day/Fête nationale du Québec)
”Bon Fête Quebec !” と乾杯するのがケベック流。


2年前のフランス映画祭2013で上映された、ケベック出身、グザヴィエ・ドラン監督の作品を紹介します。
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『わたしはロランス』
(原題:Laurence Anyways/2012/カナダ=フランス)
  「ロランス・アリア、あなたは何を求めているの?」
 その問いに主人公は答える。「私が発する言葉を理解し、同じ言葉を話す人を探すこと」
 
   30歳の誕生日を迎えた国語教師のロランスは、美しい恋人フレッドに打ち明ける。「僕は女になりたい。この体は偽りなんだ」。驚き、怒り、ロランスを激しく非難するフレッドだったが、ロランスの最大の理解者となる決心をするが……
 主人公のロランスを演じるメルヴィル・プポーは、同映画祭で上映された『皇帝と公爵』にも出演する、フランスの名優のひとり。フレッドを演じるスザンヌ・クレマンは、2012年カンヌ国際映画祭のある視点部門において、最優秀女優賞に輝いた。
 そして、ロランスの母親・ジュリエンヌを演じるのは、ナタリー・バイ。心身ともに傷つき、無防備に泣きじゃくるロランスが電話をかけた相手は恋人ではなく、母親のジュリエンヌだった。本編を通して語られるもうひとつのテーマ「親子(母娘)の愛」もまた、もどかしくもいとおしい。

フランス映画祭2013会場で観客のQ&Aに答えるナタリー・バイさん(右)
(左はユニフランス・フィルムズ東京支局長 バレリ=アンヌ・クリステンさん)
 カナダ、モントリオール出身のグザヴィエ・ドラン監督は、母への思いと故郷の美しい風景をこの映画で描いた。俳優たちの演技も目を見張るが、20代前半の感性でとらえられた、ダイナミックなケベックの自然にも注目したい。木の葉の舞うラストシーンは、この土地だけが持つ色彩にあふれている。
※フランス映画祭2015は、6/26から東京・有楽町朝日ホールで上映されます。

<本ブログ内リンク>

ケベック発のショートフィルム(グザヴィエ・ドラン主演作品の紹介も)
http://filmsandmusiconmymind.blogspot.jp/2015/06/2013.html
『トム・アット・ザ・ファーム』

『エレファント・ソング』



<公式サイト>
フランス映画祭2015 
http://unifrance.jp/festival/2015/

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