2016年9月5日月曜日

『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』 (De toutes nos forces)

リオデジャネイロパラリンピックがもうすぐ始まります。
映画の世界にも、ハンディキャップ(障がい)を乗り越えて活躍する多くの人々がいます。
この映画の主人公を演じたファビアン・エローさんもまた、障がいを持ちながら「映画出演」という大仕事に挑みました。

(フランス映画祭2014のために執筆した記事を再掲載します)


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『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子- (原題:De toutes nos forces)
 〜フランス映画祭2014オープニング作品〜

 生まれたばかりの赤ちゃんは、ただひたすら「愛」を求める。その愛の対象は、ほとんどの場合が母親だ。母親の声を聞き、母親の匂いを探し、母親の温もりに安堵する。そして、母親のまなざしをいっぱいに浴びて成長すると、あるとき、母親のもとを離れていこうと思い始める…… 
 そのときに必要となるのが、多くの場合、父親の存在だ。男の子の場合は特に。
『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』では、17歳のジュリアン(ファビアン・エロー/Fabien HERAUD)は、自分と距離を置こうとする父親のポール(ジャック・ガンブラン/ Jaques GAMBLIN)に真正面からぶつかり、「一緒にアイアンマンレースに出たい!」と宣言する。


フランス映画祭2014のために来日したファビアン・エローさん
(2014年6月有楽町朝日ホールにて撮影)

 
車椅子の生活を送るジュリアンの体を気遣う母・クレール(アレクサンドラ・ラミー/Alexandra LAMY)と、自分の自信を持てずにいる父・ポール。この2人にありったけの希望と生きる力
を与えるジュリアンの目は、いつもキラキラと輝いている。彼の目に映る山や海の景色を吸い込んでいるかのように。
 家出、姉との交流、仲間との連帯、授業のボイコット、大会の実行委員会への抗議……レジスタンス運動(la Résistance)の国、フランスの誇りが垣間みられるシーンの数々。決してあきらめずに夢を追い求めるジュリアンたちの姿がすがすがしい。
 監督は、ニルス・タヴェルニエ(Nils TAVERNIER)。重度の障がいを抱えながらも、まぶしいほどの生命力に満ちたこどもたちと出会い、この映画を撮ろうと決心をした。主人公には、脳神経障がいを持つファビアン・エローを起用。「ファビアンがいてこそ、私たちは正しい方向へ進むことができた」と監督は語る。ジュリアンの家族が暮らす場所には、アルプスの山々をのぞむフランスのアヌシー地方が選ばれた。アイアンマンレースのスタート地、ニースの景色とのコントラストがとてもきれい。

©2014 NORD-OUEST FILMS PATHÉ RHÔNE-ALPES CINÉMA

 


<公式サイト>

 『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-



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