2016年12月20日火曜日

『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』(Releve: Histoire d'une creation )

トルコのロシア大使の射殺、ベルリンのクリスマスマーケットのトラック突入……
悲しいニュースが続くヨーロッパ。
それでも、希望は残されていることを教えてくれるひとつが、この映画です。

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Releve: Histoire d'une creation
『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』

バレエの殿堂として君臨する、パリのオペラ座。この、オペラ座の新しい芸術監督として抜擢されたのは、映画『ブラック・スワン』の振り付けを手がけたバンジャマン・ミルピエだった。バレエ界の異端児と呼ばれ、史上最年少の芸術監督に抜擢されたミルピエが、オペラ座での新作『クリア、ラウド、ブライト、フォワード』を完成させるまでの40日間を追ったドキュメンタリーがこの作品だ。

©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDEDISTRIBUTION,BLUEMIND,2016

「僕らはもっと上を目指せるはずだ」
「国籍も肌の色も違うダンサーを起用したい。差別はバカげてる」
白人至上主義の傾向が強いバレエ界に、ミルピエは真っ向から立ち向かう。「社会の手本になれないバレエは意味がない」という彼の言葉に、オペラ座の、パリの未来が垣間見える。
若いエネルギーが結集するオペラ座のバックステージでは、iPhoneを活用できないと、ぼやく声も。歴史と伝統があるということは、設備が最新技術に対応しづらいというデメリットもある。
そんなときの、オペラ座総裁、ステファン・リスネ氏の言葉にパリの誇りを感じる。
「大型客船は動かすのは楽じゃないが、必ず動くから安心してくれ」

「寛容の精神を忘れたくない」と自戒し、ダンサーひとりひとりの個性を大切にするミルピエの生き方が、「芸術とは何か」という問いに対する答えそのものだと思う。 


      
        映画には、バンジャマン・ミルピエ氏の奥方、ナタリー・ポートマンさんの姿も。

         ©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDEDISTRIBUTION,BLUEMIND,2016


<公式サイト>

http://www.transformer.co.jp/m/millepied/

監督:ティエリー・デメジエール/ アルバン・トゥルレー
製作:ステファニー・ショルテール
出演:バンジャマン・ミルピエ  レオノール・ボラック  ユーゴ・マルシャン
ジェルマン・ルーヴェ  アクセル・イーボ  エレオノール・ゲリノー  レティツィア・ガローニ
マリオン・バルボー  オーレリー・デュポン  ほか
<公演参加クリエイター>
音楽:ニコ・マーリー「拘束のドローイング」、衣装:イリス・ヴァン・ヘルペン、指揮:マキシム・パスカル

2015/原題: Releve: Histoire d'une creation/ フランス/ 114/フランス語/カラー

配給:トランスフォーマー


20161223日(土)より

Bunkamura ル・シネマほか、全国順次公開

          ©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDEDISTRIBUTION,BLUEMIND,2016

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