2015年9月7日月曜日

『EDEN エデン』


EDEN エデン』(原題:Eden/ 2014/ フランス)

恋、友情、夢、野心、切なさと儚さ、そして挫折。

この映画には、「青春」を表現するためのあらゆる要素がつまっている。
そして、青春という魔力が持つ危うさも教えてくれる。

主人公・ポールのモデルとなったのは、監督・ミア・ハンセン=ラヴ(Mia Hansen=Love)の兄、スヴェン・ハンセン=ラヴ(Sven Hansen=Love)。妹と共に、この映画の脚本を手がけた。


スヴェン・ハンセン=ラヴ(Sven Hansen-Love)さん
2015年6月28日、有楽町朝日ホールにて撮影


舞台は、1990年代のフランスから始まる。
『ガラージ・ハウス』という新しい音楽の波の中で、DJとして脚光を浴びる大学生・ポール(フェリックス・ド・ジヴリ)。彼の20年あまりの人生のうねりが、みずみずしく、そしてリアルに描かれていく。
心を潤し、満たすはずの音楽…… それが、だんだんとポールの心をむしばんでいく過程は、音楽業界に携わった人なら、痛いほどわかるんじゃないかと思う。

映画の終盤は、ビートもメロディもない、静かな映像へと切り替わる。
米国の詩人・ロバート・クリ-リー(Robert Creeley)の詩を読むポールを見て、あなたはどんなことを思うだろう。

音楽に心奪われ、堅実な幸せをつかみそこなった、不器用な男の末路だろうか。
それとも、精一杯「自分」を生きた男の、新たなスタートラインだろうか。


フェリックス・ド・ジヴリさん(Félix de Givry)
2015年6月28日、有楽町朝日ホールにて撮影

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脚本のスヴェン・ハンセン=ラヴ(Sven Hansen-Love)さんと、主演のフェリックス・ド・ジヴリさん(Félix de Givry)は、この6月、フランス映画祭2015のために来日しました。
2人が観客に向けて残したコメントも、かけがえのない青春のようなきらめきを放っていました。

<本ブログ内リンク>

フランス映画祭2015 その3 --来日ゲストが届けてくれた、フランスの風
(スヴェンさんとフェリックスさんのコメントを掲載)


<公式サイト>

EDEN/エデン』
http://www.eden-movie.jp

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