2017年8月20日日曜日

『ロスト・イン・パリ』(Paris pieds nus)

ヒロシマ、ナガサキ、終戦記念日。歴史だけでなく、大雨の被害や夏休みでの事故など、リアルタイムの悲しいニュース。蝉しぐれが鎮魂歌のように聞こえる毎日です。そして、スペインのテロ事件。こんな時期だからこそ、思い切り笑ってほしい。私たちひとりひとりの「笑い」が集まれば、大きなエネルギーになって、地球の自転の方向だって変えられるかもしれない。そう思うと、世界が平和になることがものすごく簡単に思えてくるのです。
この映画で思い切り笑ってください。

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『ロスト・イン・パリ』(原題:Paris pieds nus)

始まりは、カナダの小さな村。降りしきる雪の中にある小さな図書館で、フィオナ(フィオナ・ゴードン)は今日も司書の仕事を地道にこなしている。そんな彼女の生活を一変させたのが、1通の手紙だ。それは、パリに住むおば・マーサ(エマニュエル・リヴァ)からフィオナへのSOSだった。ひっこみ思案のフィオナは、おばを助けるためバックパッカーとなって夏のパリを訪れるが、彼女を迎えてくれたのはマーサではなく、ホームレスのドム(ドミニク・アベル)をはじめとする面白おかしいパリの住人たちだった。監督・脚本・製作・主演は、現役の道化師として活躍するドミニク・アベルとフィオナ・ゴードン。セーヌ川、自由の女神、エッフェル塔・・・・・・そんな当たり前すぎるパリのアイテムたちを、道化師ならではの切り口で演出していくところが気持ちいい。カナダの図書館のポップな色彩もすてき。ジャック・タチが大好きな人は、きっとこの映画も好きになるんじゃないかしら、と思う。アベル&ゴードンの息の合った芝居はもちろんだけれど、見逃してはいけないもうひとりの主役が、おば役のエマニュエル・リヴァ。年を取ってもこんなチャーミングに生きていられるなんて、さすがパリ!




(※エマニュエル・リヴァさんは、映画完成の翌年の2017127日、89歳で天に召されました。映画でのすてきな笑顔、ありがとうございました)


監督: ドミニク・アベル  フィオナ・ゴードン
製作: ドミニク・アベル  フィオナ・ゴードン  シャルル・ジリベール
出演: フィオナ・ゴードン  ドミニク・アベル  エマニュエル・リバ
     ピエール・リシャール  フィリップ・マルツ  ほか

2016/原題: Paris pieds nus/フランス・ベルギー/83

配給: サンリス

<本ブログ内リンク>

大道芸の育つ街、ヨコハマ その2

大道芸の育つ街、ヨコハマ その1

☆下記の2作品は、ジャック・タチ監督作品です。

『プレイ・タイム』( Play Time)  その1
--タチヴィルと横浜みなとみらい21-- 


『ぼくの伯父さん』
--Monsieur Hulot と寅次郎--


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